南島漂流記
2006年5月後
>戻る

2006.5.31

 このところ連日の梅雨空です。特に今日は朝から激しい雨と風で、まるで台風の強風域にいるようでした。
 1週間程前から、事務所近くのホウオウボクが見事な花を着けているのですが、なかなか天候に恵まれません。夕方、雨の弱くなったのを狙って外出したとき、数枚シャッターを切りました。揺れている枝が多く、やはり台風のときのようです。この見事な花を青空バックで撮影出来るのは、いつのことでしょうか?


ホウオウボク
Ricoh Caplio R4


ヤマトシジミ
Ricoh Caplio R4
2006.5.29

 今日も梅雨空が続いています。少し小降りになったときに、茂みを覗いてみると、何頭かのヤマトシジミが雨宿りをしていました。と言っても、蝶の鱗粉は雨滴を弾くので、水滴をまとった姿は見られないのが残念です。
 雨宿りする小さなシジミチョウを見て、ふと思いました。アゲハチョウなど比較的大きな蝶は、多少の雨ならば、飛び回る姿を見ます。それに対してシジミチョウのような小型の蝶はあまりそのような姿は見ないように思います。やはり、翅の面積が小さいと、同じ雨滴でも飛翔能力への影響が大きいのかもしれませんね。
 このヤマトシジミ、ただ静止しているだけかと思ったのですが、よく見ると細長い口吻を葉の表面に伸ばしていますね。雨の雫を吸っているのかもしれません。

2006.5.27

 こちらは今月17日に紹介したキオビエダシャクの幼虫です。最近、至る所で大発生しているようで成虫も頻繁に目にしますし、幼虫も食樹のイヌマキの木を探せば、かなりの確立で見られるでしょう。
 ユウマダラエダシャクほどではありませんが、このキオビエダシャクの幼虫でもちょっとした失敗がありました。ときどき大発生をしますから、幼虫の写真は当然撮影していると思っていたのです。ところが、いざ使おうと思って探してみると、実はまだ撮影したことがなかったのです。
 という訳で、今日はこれまで撮影したつもりでいたエダシャクの幼虫2種類を、間違いなくカメラに収めることが出来ました。


キオビエダシャク幼虫
Ricoh Caplio R4


ユウマダラエダシャク幼虫
Ricoh Caplio R4
2006.5.27

 今年2月12日に成虫を紹介したユウマダラエダシャクの幼虫です。実は、この幼虫に関して永年勘違いをしていました。
 この幼虫は、オキナワシキミとハリツルマサキを食べるのですが、以前ハリツルマサキにユウマダラエダシャクの成虫と同時に蛾の幼虫がたくさん発生しているのを目撃しました。その状況から、その幼虫と成虫が同種であろうと思い込んでしまったのです。
 当時は、ユウマダラエダシャクの幼虫の載っている図鑑が手許になかったのも失敗の原因でした。今は、ネット検索で簡単に確認することが出来ますから、便利になったものです。しかし、同時にこの私自身の情報が他の方に検索されることもある訳ですから、以前犯したような間違いは禁物です。

2006.5.26

 昨夜から今未明にかけて激しい雨が断続的に降りました。今日も曇り時々雨の予報だったのですが、昼前になって薄日が射し始めました。そこで、カメラ片手に外に出てみると、あちらこちらでアフリカマイマイの交尾ペアが見られます。ちょうど、そのような季節なのでしょうか?
 あるペアを観察していたら、さらにもう1匹が近づこうとしています。しかも、このアフリカマイマイも恋矢を出しています。つまり、既に成立しているペアに割って入ろうとしているようです。とは言っても、カタツムリは雌雄同体ですから、どのような三角関係になるのでしょうねぇ?


アフリカマイマイ
Ricoh Caplio R4


オキナワテングスケバ
Ricoh Caplio R4
2006.5.24

 やはり夕暮れ時に見つけたオキナワテングスケバ。こちらも今年初めて出逢った姿です。ヨツメオサゾウムシと同じように、最広角端でストロボを発光させずに撮影したのですが、シャープネスは申し分ないと思います。しかし、頭部の付け根にあるオレンジ色とエメラルド色の縞模様は、光量不足のためでしょうか、ほとんど再現されていないのが残念です。

2006.5.24

 今日は、再び初夏を思わせるような一日となりました。夕暮れ近くになって、カメラを片手にいつもの散歩コースを回ってみました。
 やや薄暗い茂みの中でヨツメオサゾウムシを見つけました。恐らく今年初めて見るのではないでしょうか。何とか、この姿をクリアに写し止めたかったのですが、ちょっと光量が足りません。ズームレンズを望遠側にしたり広角側にしたり、ストロボをONにしたりOFFにしたりと、いろりろ試みたのですが、結果的に最もシャープだったのが、最広角側でストロボOFFにした状態でした。でももう少しシャープさが欲しかったですね。


ヨツメオサゾウムシ
Ricoh Caplio R4


オキナワモリバッタ幼虫
Ricoh Caplio R4
2006.5.21

 山原(やんばる=沖縄本島北部)の森では、梅雨の季節を代表するイジュやコンロンカ、ノボタンなどの花が咲き誇っています。
 薄紅色のノボタンの花の上にはときどきオキナワモリバッタの姿が見られます。そしてよく観察すると、雄しべを無心の食べているのです。モリバッタの餌と言えば、クワズイモの葉がまず思い浮かびますが、モリバッタは意外にこだわりの強いグルメなのかもしれません。

2006.5.21

 夜、林道を走っていると「フィリリリ・・」というよく響く鳴き声が聞こえてきます。その鳴き声の主は小さなニホンカジカガエルです。とてもこの小さな体から、こんなよく響く声が発せられるとは信じられません。
 小さいながらも、堂々をしたポーズをとり、結構絵になるのですが、何しろ小さいので、かなり近づかなければ大きく写せません。さらに意外と神経質なので、慎重に近づかなければなりません。しかし、カエルにばかり集中していると、危険なこともあります。カジカガエルを狙っているのは、撮影者だけではなく蛇も多いのです。


ニホンカジカガエル
Ricoh Caplio R4 Speedlight


ヤンバルクイナの糞
Ricoh Caplio R4
2006.5.20

 今の季節、野鳥たちは繁殖期を迎えています。ヤンバルクイナも例外ではありません。梅雨の山原(やんばる=沖縄本島北部)の森で雛を連れて移動する姿が観察出来る時期に当たります。
 地上で活動するヤンバルクイナの姿を見るためには、コツがあります。林道上に糞が集中してある場所を探すのです。そして、早朝にそのポイント近くの茂みから出て来るところを狙うのです。
 今日の夕方に、そのようなポイントをいくつか見つけました。その中でも、そのすぐ近くの木で番いを撮影したことのある場所を選びました。しかも、そこには本当に真新しい糞もあったのです。きっと私が車で近づくまで林道上に出て来ていたのでしょう。明日の早朝は、ここで撮影を試みるつもりです。
※夜明けとともに、この場所でしばらくヤンバルクイナの出現を待ってみたのですが、残念ながら空振りでした。まぁ、野生動物相手の撮影とは、こんなことの繰り返しです。

2006.5.19

 ゲットウ(サンニン)の花が開くと、このような姿になります。黄色と朱色の原色どうしの組合わせは、とても南国らしい配色ですが、それまでの蕾の大人しい配色とは実に対照的に感じられます。
 やがて花の終わった後の黄緑色の実もまたとてもしっとりとした色なのですが、その後には真っ赤に色づいた種が爆ぜます。何度も姿を変えて、私たちの目を楽しませてくれる植物ですね。


ゲットウの花
Ricoh Caplio R4


ゲットウの蕾
Ricoh Caplio R4
2006.5.19

 沖縄の梅雨の季節を代表するゲットウが、あちらこちらで蕾や花を着けています。方言名でサンニンと呼ばれますが、実に梅雨の季節の雰囲気に合った植物です。
 個人的には、花が開いてしまってからよりも、まだ開く前に蕾の状態の方が好みです。アイボリーの膨らみの先端だけが紅色で彩られた配色は何とも言えません。この蕾と水滴は実によい取り合わせに感じられます。

2006.5.18

 たくさんのクダモノトケイソウの花が咲いていました。パッションフルーツですね。雌しべの先端の形が、時計の針のようなのが和名の由来のようですが、この花の面白さはそれだけではないように感じます。細部を眺めていても飽きる気がしません。さらに、果実が食用になるのですから、二度楽しめるわけですね。
 沖縄は梅雨に入り、さらに台風1号の接近の影響で、はっきりしない天気です。それでも諦めずに外に出てみると、いろいろな出遭いが待っていますね。


クダモノトケイソウ
Ricoh Caplio R4


カラオビハエトリ
Ricoh Caplio R4 Speedlight
2006.5.18

 台風1号の影響でしょうか、風が強く曇りがちの一日でした。そんな気象条件でしたが、午後に事務所から少し離れた所に撮影に出てみました。
 すると、思いがけない被写体に遭遇しました。カラオビハエトリです。ハエトリグモの仲間としては派手な色彩なのが特徴なのですが、数が極めて少ないのです。これまで28年間で3個体だけですから、平均して9年余で1個体の計算になります。前回の目撃は4年前ですから、今回は意外な早さ(?)と言えるかもしれませんね。
 このクモの捕食シーンは初めて観察しましたが、その餌がアリ(アシナガキアリ)というのも珍しいことのように思います。

2006.5.17

 このところ、キオビエダシャクがかなりの数、発生していて乱舞する状況を目にします。成虫は金属光沢を伴ったコバルト色とオレンジ色から構成されて、結構派手な色彩をしています。
 是非、この鮮やかな姿を撮影したいと思っていたのですが、飛んでいる状態にはいくらでも出逢うのですが、じっと静止している状況にはなかなか出逢えません。今日の夕方、やっとシマグワの葉裏にとまるキオビエダシャクを見つけました。しかも交尾中で、かなり長時間このままでいたため、やっと撮影することが叶いました。ですが、なかなか止まない風と、夕暮れ時の光量不足に泣かされました。


キオビエダシャク
Ricoh Caplio R4 Speedlight

>戻る