南島漂流記
2007年10月後
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2007.10.28

 冬嫌いの身にとっては、認めたくないのですが、日に日に秋らしさが深まっているのは確実です。今日も、散歩の途中で、出始めたばかりのススキの花穂を見掛けました。ちょうど夕方の逆光気味の斜光に照らされて、何とも言えないよい雰囲気を感じました。
 秋の次に夏がやって来るのなら、よい季節なんですけどね。まぁ、それでは、秋とは呼べませんし、本当に秋の好きな方には怒られてしまいそうですね・・・
 とは言っても、秋にはよいこともあります。機材を持って、歩き回ってもあまり汗をかかずに、体力の消耗も少なくて済みますね。
 


ススキ
Ricoh Caplio R7


台風余波
Ricoh Caplio R7
2007.10.26

 昨日から風が強いと思っていたら、今日、大東島近海で台風20号が発生しました。やはり今日は、昨日にも増して、風が強いのを感じます。こんな日は、昆虫などの小動物の撮影は、全くのお手上げです。
 それにしても、最近の台風の発生パターンは、以前と違うように感じます。以前は、もっと南の熱帯地域で発生して、徐々に発達しながら沖縄近海に近づくというものでした。それが、最近では、沖縄近海で発生して急激に発達するのです。これも、海水温が高いために、沖縄近海で発達することが可能になったからのではないでしょうか?そして、その海水温が高い原因が地球温暖化なのだしたら、すべて辻褄が合ってしまいます。
 ところで、今日の写真は、肉眼ではかなりの強風を感じる状況だったのですが、静止画にしてみると、ほとんど迫力がないですね。

2007.10.24

 イネ科植物の葉裏に、エダナナフシが静止していました。まるで、何の疑問もなく安心しきった様子なので、「それはちょっと違うだろ?」と、レンズを向けた途端、「サボってたのばれた?」とばかりに移動を始めました。
 それ程珍しい種でもないので、完璧な程に枝に擬態しているのに相応しい状況、あるいは、完璧なまでにミスマッチな状況でならば、シャッターを押そうという気になるのですが、このような中途半端な状況になっては、あまり撮影意欲が沸きません。


エダナナフシの一種
Ricoh Caplio R7


シマツユクサ
Ricoh Caplio R7
2007.10.22

 琉球列島に分布している固有の植物には、よく「シマ」と付けられることが多いようです。このシマツユクサもそのひとつですが、どうも他の「シマ」の付く植物とは印象が違います。
 多くの「シマ」植物は、「シマ」の付かない種に比べて、小振りだったり、地味な存在の印象が強いのです。しかし、このシマツユクサの花は、ツユクサよりも立派で繊細な色使いに感じられます。写真を撮ったときは種名が判らなかったのですが、ちょっと意外な出逢いでした。

2007.10.21

 今では、ほぼデジタルカメラがフィルムカメラに置き換わっています。かつてデジタルカメラがフィルムカメラに性能的に劣っていた時代の延長でしょうか、デジタルカメラは画素数を増やす方向に機能を求め続けています。
 しかし、単純に画素を増やせばよいわけではありません。いろいろな弊害も出てきます。撮像素子のサイズをそのままに画素数を増やしていくと、限界に達して、その画素数として機能しなくなるのです。そろそろその限界に近づいているのではないかと、薄々思ってはいたのですが、コンパクトジデカメの場合は、既にその領域に達してしまっているだろうデータを目にしました。
 小型撮像素子だと被写界深度(ピントの合う範囲)が深くなるので、小さな昆虫などにピントを合わせながら、背景にもある程度ピントを合わすという構図に利点があります。しかし、絞りを絞る程、解像度(シャープネス)が低下していく弊害が小さい撮像素子程大きいのです。既にそれが、実害の域に達していることがショックでした。そろそろ高画素競争以外に目を向けて貰わないと・・・


タイワンハネナガイナゴ
Ricoh Caplio GX100 Gyorome-8 Speedlight


ツマグロヒョウモン
Ricoh Caplio R7
2007.10.20

 目の前にツマグロヒョウモンの雄が飛んできて、眠りに着きました。ここは不思議な場所です。まだ、陽が残っているのに、昆虫がやって来て、眠りに着くのです。10月10日のクロスジスズバチもそうでした。
 クロスジスズバチは、余りに接近し過ぎて、場所を移動させてしまいました・・・その反省で、今日は無理に接近して驚かせないように努めました。複眼に毛があるか否かを確かめたい衝動を抑えつつ・・・

2007.10.19

 昨日撮影したルリタテハですが、さらに高倍率撮影したハイビジョン映像を再生してみたら、意外なことに気付きました。複眼の表面に剛毛が密生しているのです。
 普通に考えれば、複眼表面に汚れや傷が付くことへの保護が存在理由でしょうか?それにしても、眼の表面に毛とは意外です、見え方そのものには影響がないのでしょうか?


ルリタテハ
Sony HVR-V1J


ルリタテハ
Ricoh Caplio GX100 Speedlight
2007.10.18

 あまりに逃げないので、次に狙ったのが頭部のアップです。頭部で最も目立つのが複眼ですが、さすが同じタテハチョウ科だけあって、8月2日に紹介したコノハチョウの複眼の模様によく似ています。
 ところで、今日の2枚の写真は、どちらも同じコンパクトデジカメで撮影しています。しかも、全くアクセサリーなど使用せず、広角端と望遠端での撮影です。一眼レフでも、同じ1本のレンズではカバー出来ないような範囲をカバーしていることに驚きます。

2007.10.18

 ルリタテハという蝶は、夕暮れ時になると地表に近い場所で、よく占有行動を採っているところを見掛けます。日中はどちらかというと、採餌行動に熱心な印象があります。
 いつもは、この占有行動中は、当然のことながら縄張りへの侵入者には敏感で、なかなか接近しての撮影は難しいものがあります。ところが、今日出逢ったルリタテハは、容易に近づかせてくれました。24mm相当の広角で画面いっぱいになるまで近寄って撮影することが出来ました。


ルリタテハ
Ricoh Caplio GX100


オオゲジ
Ricoh Caplio R7 Speedlight
2007.10.17

 久しぶりにオオゲジを見ました。何処にも損傷のない、完璧な個体のようです。この長いたくさんの脚を持つ体でどのように脱皮するのか、一度見てみたい気がします。
 かつて琉球大学の資料館に勤めていた頃、外部からの生き物に関する電話の問い合わせで、最も多かったのが、このオオゲジです。何故か「今までに見たことのない生き物です」「新種に間違いありません」という内容がほとんどです。専門家でもないのに、何を根拠に新種とか未知の生物とするのかが不思議なのですが、長いたくさんの脚を素早く動かしながら、まるで胴体が空中にフワフワ浮いたように移動する様が異様に映るのでしょう。この不思議な様子を是非ビデオ撮影したいのですが、全く動かないか、動き出すと早過ぎて追いかけられないかの何れかなのです。

2007.10.16

 山原(やんばる=沖縄本島北部)に新しい林道が開通しました。わずか2kmの短いルートですが、幅員も3mというものです。これは、幅員3m以下の道路には環境アセスが不要という理由だそうです。しかし、実際に通行してみると、切り立った法面の中を縫うように走っている状況、これで伐採用の車両は通行可能なのでしょうか?
 このような環境にどのような生物が生息しているかを確かめようと日中と夜間に走ってみました。まず、日中に周囲の環境を確認し、夜間に夜行性動物の活動状況を観察しようとしたころ、いきなり林道の入口でヤンバルクイナのペアに遭遇しました。工事期間中の影響によって生息場所を変えることなく、この場に定着していることに安心した反面、これから林道開設によって、さらに環境が悪化していくことが心配です。


ヤンバルクイナ
NikonD200 VR Nikkor80-400/4.5-5.6ED Speedlight

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