南島漂流記
2007年1月後
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2007.1.31

 連日の好天で、これまで姿を潜めていた昆虫たちも活動を始めたようです。昨日も今日も、いつもの撮影ポイントでクロスジスズバチの姿を見るようになりました。何匹もが狭い範囲内で日光浴をしていますが、ときどき飛び立っては、近くを旋回します。
 そんなまだ鋭敏とは言えない行動を見て、飛翔シーンを狙ってみたのですが、撮影者側の腕も鋭敏とは言えなかったようです。これまで、真冬の動きの少ない昆虫ばかりを相手にしていて、早い動きにまだ付いていけないのかもしれません。沖縄では明日から多くのプロ野球球団がキャンプインしますが、昆虫写真もシーズンインに向けてウォーミングアップが必要なようです。


クロスジスズバチ
Ricoh Caplio R5(ISO400) Speedlight


センダングサに訪花したセイヨウミツバチ
Ricoh Caplio R5 (ISO400) speedlight
2007.1.30

 そこで、場所を変えて他のカンヒザクラの株でミツバチを狙うことにしました。ところが、ここのカンヒザクラは、いくら待ってもミツバチはやって来ません。
 ここの場所の近くにはミツバチの巣がないのがその原因かと思ったのですが、そうではないようです。すぐ近くのセンダングサの花には、かなりの数のミツバチが引っ切りなしに飛来しています。どうやら、ミツバチはカンヒザクラよりもセンダングサの花の蜜を好むようです。
 センダングサは沖縄の代表的な帰化植物です。今ではかなりの山奥にまで繁茂しています。そして、その花にはさまざまな種類の昆虫が訪花します。在来種の花よりも好まれるセンダングサの花、しかも圧倒的な数です。効率的に沖縄の昆虫の撮影をしようとすると、それがほとんどがセンダングサの花との組み合わせになってしまう状況は、決して好ましいものではありません。

2007.1.30

 今日は午後から快晴に恵まれました。そこで、カンヒザクラに訪花するミツバチの姿を狙ったのですが、思いの外ミツバチの姿が少ないのです。さて、どうしたことでしょうか?
 それでも気長に待っていると、ときおりブーンという羽音と共に姿を見せます。一時間程で撮影出来たのは10数カットという低い歩留まりです。カンヒザクラの花、青空という舞台は整っているのですが、主役のミツバチがなかなか現れないのでは、盛り上がりません。


カンヒザクラに訪花したセイヨウミツバチ
Ricoh Caplio R5 (ISO400) Speedlight


カンヒザクラ
Ricoh Caplio R5
2007.1.29

 久しぶりの山原(やんばる=沖縄本島北部)で各地のカンヒザクラを見て回りましたが、やはり今年は例年よりも開花が遅れていることを確信しました。カンヒザクラは北から先に開花するのですが、例年はそろそろ満開の頃を迎えているはずの北部でも、満開の株は数える程です。
 断定出来る理由はありませんが、これも暖冬の影響なのでしょうか?寒い季節に咲くカンヒザクラにとって、冬の高い気温は不都合なのかもしれません。

2007.1.28

 例年よりも繁殖が遅れているハナサキガエルに比べて、イシカワガエルは盛んに雌を誘う雄の鳴き声が夜の渓流に響いています。
 但し、雄は産卵場所に選んだ穴や岩の窪みに身を潜めて鳴いているので、そう簡単には見つかりません。上半身だけ、あるいは顔だけ外に乗り出していたりすることが多いのですが、とても神経質で、すぐに穴に入ってしまい、なかなか思うようなアングルで撮影させてくれません。
 それでも根気よく探し回っていると、ときどき図太い神経の個体に出逢えたりもします。そんな性格の個体もいなければ、とても撮影なんて出来ないでしょうね。


イシカワガエル
Nikon D200 VR 70-300/4.5-5.6ED Speedlight


ハナサキガエル
Ricoh Cplio R5 Speedlight
2007.1.27

 久しぶりの山原(やんばる=沖縄本島北部)です。例年、今頃の季節、山原の渓流では数種のカエルの繁殖期を迎えます。気にはなっていたのですが、なかなか時間が取れずにいました。
 機材を担ぎ、深夜の渓流に足を踏み入れると、あちらこちらから「キャウッ」という甲高い声が響いています。これはイシカワガエルの声なのですが、例年どおりに繁殖期を迎えているようです。
 山原で冬に繁殖するカエルで圧巻なのはハナサキガエルです。滝壺に数千個体が集まってきて、ある一夜に一斉に産卵するのです。しかし、例年集団産卵の観察出来る滝壺の周辺にはまだわずかな数のハナサキガエルしか確認出来ませんでした。今年は例年よりも遅れているようです。これは、暖冬の影響なのでしょうか?あるいは、昨秋の小雨の影響なのでしょうか?

2007.1.26

 昨日の担当しているTVのコーナーでは、今シーズンの冬に沖縄で新しく見つかったキンカメムシの仲間を紹介しました。那覇市や沖縄市などから見つかっている美しい種類です。
 背面側は、黒い地色に宝石のように輝く構造色の帯が何本も走り、螺鈿細工を思わせます。腹面側は明るいオレンジ色をしています。脚の付け根は鮮やかな赤で、この点はナナホシキンカメムシに似ています。
 台湾と中国に、よく似た種が分布しているそうなので、新種の可能性は低いようですが、今後の研究結果が楽しみです。


キンカメムシの一種
NikonD200 Tamron90/2.8 Macro


セイヨウタンポポに訪花したセイヨウミツバチ
Ricoh Caplio R5
2007.1.25

 今日は再び快晴に恵まれました。昨日に続き中城城跡を訪ね、眩しい陽射しに照らされるカンヒザクラでジャコウアゲハを待ってみたのですが、一向に姿を現しません。そう言えば、これまでに桜に訪花したジャコウアゲハを撮影したのは朝夕が多かったように思います。しかし、今日はTVの生放送の担当日、余り長居は出来ないのが皮肉です。
 せめて、ミツバチの訪花でも撮影しようと思ったのですが、これもあまり姿を見ません。どうもすぐ近くに咲いているセイヨウタンポポのほうに人気があるようです。そこで数枚その組み合わせで撮影したのですが、気が付くと、どちらも和名に西洋が付くのですね。ちょっと春らしい光景だったのですが、どちらも外来種だったとは意外でした。

2007.1.24

 昨日の春めいた陽気、一気に開花の進んだカンヒザクラを見て、今日は桜に訪花するジャコウアゲハを狙いに中城城跡に行ってみました。
 しかし、今日は朝からの雨、そして冷たい北風と、すっかり冬の天気に逆戻りです。ですが、天気予報では午後から晴れ間が期待出来るはずでした。
 確かに、早いカンヒザクラでは7分程度の開花、寒くて葉にとまったままのジャコウアゲハ、そして午後5時を過ぎてから、青空が見え始め、陽射しも戻ってきました。しかし、その3つの要素が同時に揃うことはなく、出来の悪い三題噺のような結果に終わりました。


わずかな青空
NikonD200 VR Nikkor18-200/3.5-5.6ED


カンヒザクラ
Ricoh Caplio R5
2007.1.23

 東京に行っている間に、沖縄のカンヒザクラはかなり開花が進んでいました。10日程前は1、2分の咲き具合だったのが、木によっては7、8分の開花状態のものもあります。
 今日はときどき薄日も射し、風も穏やかな過ごし易い陽気。こんな中、カンヒザクラの花を眺めていると、一足早いお花見気分になります。あと待ち遠しいのは、桜の花を訪れる、ジャコウアゲハやオキナワビロウドセセリ、メジロなどの姿です。

2007.1.22

 今回の上京中に、昨年末に購入した小型ハイビジョンカメラ用のアクセサリーを購入してきました。マイクの風切り音を軽減するウィンドジャーマー、液晶フード、そして小型ビデオ雲台とリモートコマンダー。この中で、一番気に入っているのが、小型雲台です。
 これまでのビデオ用小型雲台は、どれも中途半端なものでした。ちょうどビデオカメラとバランスのよい小型の製品は、安物が多く、滑らかなパンが出来ずに、耐久性も劣るものがほとんどでした。それらの条件を満たした製品は、カメラとはアンバランスな程に大型で重い製品がほとんどだったのです。
 今回たまたまカメラ量販店の店頭で見つけた新製品は、その両方の条件をほぼ満たしてくれるものでした。これで、新しい小型ハイビジョンビデオカメラの性能を充分に発揮出来るでしょう。


SONY HVR-V1Jとアクセサリー
Ricoh Caplio R5


ユズリハ芽吹き
Ricoh GR-Digital
2007.1.21

 今月3日にユズリハを紹介しました。その株の葉が正に新旧交代のときを迎えています。3日の時点で見られた比較的新しい葉も落ちて、そこに一斉に新しい葉が開き始めています。正に「譲り葉」状態です。それにしても、比較的新しい葉まで落としてしまうのは、潔いというかもったいないというか・・・
 3日の日記にも書いたように、この鮮紅色についつい目が行ってしまうのですが、この特徴をよくも和名に採用しなかったものです。この「譲り葉」状態に見ても、やはり色彩に関心は向いてしまいます。

2007.1.20

 東京滞在中は、よく本を読みます。それは電車での移動中に集中しています。沖縄は車社会なので、本を読む時間が少ないのです。電車の中では、新書判などの文庫本が読み易く、ほぼ2日間に1冊の割で読んでしまいます。
 今回は東京に着いた初日に3冊を買い求め、ほぼ読み終わりました。最初に読んだ加賀藩の経理担当の下級武士の家の明治維新を挟んでの5代に渡る家計簿を解読した『武士の家計簿』がなかなか面白く、1日余りで読み終えてしまいました。
 東京にいると電車賃が嵩むといつも感じますが、それに加えて書籍代となると、庶民の足とは言えない出費です。ですが、また余り本を読まない生活に逆戻りです。


新書判3冊
Ricoh GR -Digital


ヒノキ朽ち木
Ricoh Caplio R5
2007.1.19

 昨日から、講演のために短期上京しています。今日は、暖かい陽射しが降り注ぐ1日でしたが、風は冷たく感じられました。
 実家の庭の隅に1本の枯れたヒノキがあります。数年前まではなんとか葉を着けていたのですが、今は枯れ、傾いた幹には大きな空洞が穿たれ、その空間には数種の植物が根を下ろしています。
 見る影もありませんが、かつて私が東京で暮らしていた頃には、葉が茂り、毎年その茂みの中ではキジバトが子育てをしていました。その様子を2階の軒先から撮影していたのが、懐かしく思い出されます。

2007.1.18

 実家の庭のソシンロウバイが咲き始めました。例年三が日には開花しているのですが、今年は少し遅れたようです。暖冬の影響で生理的に開花が遅れたのでしょうか、あるいは野鳥たちに蕾を食べられてしまった影響なのでしょうか?
 例年は、一斉に開花した状況を撮影することが多いのですが、今年は花付きが悪いので、数少ない花をアップで捉えてみました。しかし、こうして見ると、この透明感のある質感を蝋(ろう)に例えたくなる気持ちもよく解ります。


ソシンロウバイ
Ricoh Caplio R5


ポインセチア
NikonD200 VR Nikkor18-200/3.5-5.6ED
2007.1.16

 2日続きで同じネタで申し訳ありません。それにしても、考えれば考える程、ポインセチアとラフレシアの関係は不思議で納得出来ません。
 枝も葉もある光合成植物と茎も葉もない寄生植物と、同じ植物とはいえ対極にあるような存在です。普通、近縁種というのは多くの共通点が見出せるものですが、この2種の植物は、なるべく共通点のないどうしを選んだ結果のようです。う〜〜ん・・・

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