南島漂流記
2006年11月後
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キュウシュウジカ
Ricoh Caplio R5
2006.11.30

 紅葉の霧島高原の森ではときどき鹿に出逢うことが出来ます。大型哺乳類の少ない琉球列島で生活していると、ちょっと新鮮な体験です。
 沖縄でも限られた島でケラマジカが見られますが、極めて限られた環境においてだけです。
 調べてみると、ケラマジカもエゾジカもホンシュウジカも同じ種類で、それぞれ亜種に分かれているのですね。そして、このキュウシュウジカが原名亜種になることを初めて知りました。

2006.11.30

 鹿児島の霧島高原では、紅葉真っ盛りです。と言っても標高差のある地形なので、高い場所では既に落葉しています。ちょうど今の時期は、霧島神宮の周辺が見頃でした。神宮の境内には大きなカエデの木があるので、なかなか良いタイミングでした。
 亜熱帯沖縄で生活していると、さまざまな希少動物達に会える楽しみと引き換えに、このような紅葉の楽しみがないことを改めて思いました。
 


紅 葉
Ricoh GR-Digital


雲 海
Ricoh GR-Digital
2006.11.29

 2泊で鹿児島を訪れています。那覇空港を離陸した航空機は、上昇飛行を続けながら分厚い雲をクリアすると、久しぶりの陽射しを楽しむことが出来ました。既に冬の愚図ついた季節に入ってしまった地上の沖縄では味わえない陽射しの心地良さです。
 それにしても不思議です。地上はどんな悪天候でも、雲の上はいつも好天なのですよね。当たり前のことと言えばそうなのですが、この雲の発生具合によって地上の人間生活はどれだけの影響を受けてきたかを考えると、雲の存在って大きなものです。

2006.11.28

 いよいよ沖縄にも冬がやって来たようです。今日は朝から北風が吹き、さすがに半袖では肌寒く感じられました。
 今月16日に見つけたツワブキの蕾も急に綻び始め、黄色い花が目立つようになってきました。
 さぁ、これから年末、年始の慌ただしさに向かって一気に季節が進んでいくのでしょうね。


ツワブキ
Ricoh Caplio R5


鱗 雲
Ricoh Caplio R5
2006.11.27

 昨日から引き続き今日も昼までは青空が見られたのですが、午後になると次第に雲が広がってきました。
 その雲は所謂「鱗雲」と呼ぶのに相応しい雰囲気でした。その大きさからして鰯のような小魚ではなく、鯛くらいだったでしょうか?こんなことを書いているのは、食欲の秋なのかもしれませんねぇ。

2006.11.26

 今日も朝から快晴に恵まれました。汗ばむ陽気は、小春日和というよりも小夏日和ですね。
 そんな陽射しの下、ナガマルコガネグモの雌が、大きく膨らませた腹部を誇示しているのを見掛けると、やはり夏というよりも秋なのでしょうね。その近くで、交接のチャンスを狙う小さな雄も、秋の深まりを感じているのかもしれません。
 それしても、このGX8と魚露目8号の組み合わせの虫の眼、本当になかなかの性能です。8と8の組み合わせが良いのでしょうか? 


ナガマルコガネグモ
Ricoh Caplio GX8 Gyorome-8 Speedlight


サキシマフヨウ蕾(11/25撮影)
Ricoh GR-Digital
2006.11.26

 昨日からお客さんを案内して山原(やんばる=沖縄本島北部)に来ています。ハイビジョンシステムの構築などに時間をとられ、数週間ぶりの山原です。その間に一気に秋が深まり、日中の気温はまだまだ高いものの、朝夕は冬の到来を間近に感じられるようになりました。
 今回の目的は野鳥の観察のため、早朝からの活動開始となります。やがて昇ってきた太陽の温もりが心地よく感じられるのは、やはり晩秋なのでしょうね。その陽に照らし出されたサキシマフヨウの蕾、これもまた今の季節に相応しい光景でした。
 発売から1年の経ったGR-Digitalを久しぶりに使ってみました。移り変わりの早いデジタルカメラの世界にあって、古さを感じさせないどころか、小気味良い操作感を改めて見直しました。 

2006.11.26

 初めてビデオカメラを手にしてから11年、本格的に撮影を始めて5年程になりますが、未だに撮影したいのに果たせていない被写体が少なくありません。そのひとつがキョウチクトウスズメ。成虫は、全身まるで迷彩柄をまとったような姿をしていて、とても面白いのです。
 このキョウチクトウスズメは、元々沖縄には生息していない迷蛾なのですが、これまでにも定期的に発生しています。私が沖縄にやってきた数年後にも大発生したのですが、そのときはいつか撮ろうと思っているうちに消えてしまいました。そして10年後にスチル撮影することが叶いました。
 昨年も幼虫の姿だけは撮影しましたし、今年も那覇市内での発生のニュースや知人からの報告は受けたのですが、運悪く未だ成虫には出逢えていません。


キョウチクトウスズメ幼虫(11/23撮影)
Ricoh Caplio R5 Speedlight


受信不能(11/22撮影)
Ricoh Caplio R5
2006.11.26

 22日の沖縄本島地方は、1日中激しい雷雨に見舞われました。衛星放送も度々受信出来ない状況でした。
 そして、午後から急にインターネット回線もアクセス出来なくなりました。一時的なことかと思ったのですが、少なくとも24日の朝まではアクセス不能な状態でした。その後2泊で山原(やんばる=沖縄本島北部)へ出掛けたので、その後の経緯は判らないのですが、今日事務所に戻ったところ、やっと復旧していました。何れにしても、かなり長いブランクでした。携帯電話経由ではアクセス出来ましたから、プロバイダーのトラブルではなかったのは確かです。そして、室内のルーターなどの機器も何度も初期化を試みたので、室外の回線の問題だったようです。
 この間、どうしても必要なものだけは携帯電話経由でアクセスしましたが、それにしても高速回線にトラブルがあると、これだけ仕事に支障が出るとは予想を超えていました。

2006.11.21

 冬嫌いのために、毎日のように秋の気配を見つけては嘆いていますが、もちろんまだまだ夏の名残りにも出逢います。
 夏とは言っても、これは有難くない名残りですね。毎日のように撮影のときに餌をやってしまいます。虫除け剤を使えばよいのですが、昆虫写真家が虫除け剤を使ってはモデルに嫌われようとするようなものですからねぇ。詰らない縁起担ぎです・・・


ヒトスジシマカ
Ricoh Caplio GX8 Gyorome-8 Speedlight


ヨツモンカメノコハムシ
Ricoh Caplio GX8 Gyorome-8 Speedlight
2006.11.20

 今日は昼過ぎまで久しぶりの晴れ間が広がっていましたが、その後再び曇り空に逆戻りしてしまいました。
 どんよりと厚い雲の垂れ込めた下、虫食い穴だらけのノアサガオの葉の中央に1匹のヨツモンカメノコハムシが伏せていました。初めはピタリッと伏せていたのですが、数回ストロボを発光させると、ちょっと上体を持ち上げて、黒い眼と長い触角を見せてくれました。やはり彼らも陽射しが懐かしいのでしょうかね?

2006.11.20

 今日もまたひとつ冬の気配を見つけました。沖縄の冬の風物詩、サトウキビの花穂が出始めていたのです。
 繰り返し書いていますように冬嫌いなのですが、このサトウキビの花穂の揺れる景色だけは大好きなので、悪い気分ではありません。
 沖縄の宮古島でバイオエタノールの自動車燃料混合実証プロジェクトがスタートしています。この波及効果で、沖縄でも昔のような手入れの行き届いたサトウキビ畑が広がるなんてことはないでしょうか?


サトウキビ花穂
Ricoh Caplio R5


コンパクト虫の眼デジカメ
Ricoh Caplio R5
2006.11.19

 数日前から使っている虫の眼レンズを装着したコンパクトデジカメです。重量は430gしかありません。外部ストロボを別にした追加の部品代も1万円程です。すべての合計でも実売6万円程で、虫の眼映像が撮影出来るのです。しかも、それもかなりのクオリティで。
 このセットは、何も工作を必要としない、市販のパーツの組み合わせだけで作ってあります。ただ、ネジを組み合わせてあるだけです。
 レンズの先端近くの外径がやや大きくアンバランスな印象を受けるかもしれません。37mm径のフィルター2枚を接着したパーツを自作すれば、この部分も細く出来るのですが、そうするとカメラを置いたときに前側に傾いてしまいそうです。ちょうど水平に置くためにスタンドの役目を果たしているので、敢えてこのままにしています。

2006.11.19

 昼前にほんのわずかに薄日が射しただけで、今日は一日中厚い雲が垂れ込め、雨もときおり落ちてくるといった天気でした。
 今日も虫の眼レンズ付きコンパクトデジカメを持ち出してみましたが、余りにも条件が悪く散々な結果となりました。このサイズであれば何とか見られる程度の写真ですが、やはり画角の広い虫の眼レンズには、青空が似合いますね。
 ここ数日、天気の悪い日が続き、いよいよ沖縄も冬になってしまったかと思うのですが、まだまだ気温が高く、北風が大人しくしているところをみると、そうではないようですね。


ホソヘリカメムシ
Ricoh Caplio GX8 Gyorome-8 Speedlight


オキナワクワゾウムシ
Ricoh Caplio GX8 Gyorome-8 Speedlight
2006.11.18

 日没間近にシマグワの木でたくさんのオキナワクワゾウムシの姿を見つけました。昨日から使い始めた虫の眼レンズ付きのコンパクトデジカメを向けてみました。元々大きな腹部がさらにデフォルメされて、まるで瓢箪のような体型に見えます。
 この虫の眼レンズカメラは、かなり使いやすく、画質も相当なものです。今までの大きく重い機材を考えると、もっと早く使ってみればよかったものだと思います。ただ欠点もないわけではありません。28〜85mmレンズの望遠端でも拡大率が足りず、1.4倍のデジタルズームを併用しています。デジタルズームを使わずにフル画面になれば、さらに画質の向上が望めます。また、既に発売から1年半を経過した機種の液晶画面は1.8型と、現状のスタンダードサイズの2.5型と比べると小さく、構図やフォーカスの確認がやりにくいのも困ります。そろそろ後継機種が欲しいところですね。

2006.11.18

 今日は朝から断続的に激しい雨が降っていましたが、夕方になって太陽と青空が戻ってきました。そこで、日没までのわずかな時間をカメラ片手に過ごしました。
 すると、かなり激しく虫に食われたサガリバナの葉が目に付きました。その葉をよく見ると、オオミノガの繭、つまりミノムシがたくさん付いていました。
 数年前、このオオミノガがほとんど姿を消してしまい、心配されていた時期がありました。ところが、昨年から急に復活して、今ではこのような状況になっています。最近急激に数を減らしてしまった希少動物たちも、このような復活を遂げてくれないでしょうか。


オオミノガ
Ricoh Caplio GX8 Gyorome-8 Speedlight


フタスジハリカメムシ幼虫
Ricoh Caplio GX8 Gyorome-8 Speedlight
2006.11.17

 虫の眼映像を最も簡単に、あるいは低予算で体験出来る機材かもしれませんが、その性能を侮ってはいけません。なかなかヌケのよい、シャープな映像が得られます。作例は、体長1cm未満の昆虫を拡大しているので、被写界深度は浅くなっていますが、さらにこれから2絞り相当絞り込めますので、さらに背景にピントを回すことも可能です。
 小型軽量ですし、言うことはないのですが、唯一の不満と言えばボケがやや煩雑なことでしょうか。

2006.11.17

 15日に触れたように、12月に虫の眼レンズに関する講演をしなければなりません。それも1時間以上の時間を満たさなければなりません。そのためには、かなりのボリュームの内容を準備しなければなりません。
 そこで、これまでは日常の撮影に採用していなかった、より簡単な機材の組み合わせも試してみることにしました。久しぶりに取り出したリコーキャプリオGX8のボディに、フィット社から発売されている魚露目8号という魚眼レンズコンバーターを装着してみました。恐らく現状では、最も簡単に虫の眼レンズの世界を体験出来る機材ではないでしょうか?
 この機材の組み合わせで被写体を探していたところ、まず出逢ったのがアシナガバチの巣でした。いきなりハチに1cmくらいまで接近してシャッターを切りましたが、まだこの機材に慣れていないこともあって、ピンボケになったり、露出が合わなかったりと、危険を犯した割には報われない結果となりました。


オキナワアシナガバチ
Ricoh Caplio GX8 Gyorome-8 Speedlight


ツワブキ
Ricoh Caplio R5
2006.11.16

 まだ半袖生活の続く沖縄ですが、少しずつ冬の到来を感じさせる要素も目に付くようになってきました。今日、初めて気付いたのは、事務所裏のツワブキの蕾です。まだ、完全に伸びきっていない頭を垂れた状態ですが、力強いボリュームを感じます。
 ツワブキの開花は、本格的な冬の到来を意味しますが、そこにはたくさんの昆虫たちが集まって来ます。冬は好きではありませんが、ツワブキの花と昆虫たちの姿だけは今から楽しみです。

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