南島漂流記
2005年8月後
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オサヨコバイ
Ricoh Caplio GX8
2005.8.31

 沖縄の生活に戻りましたが、ヨコバイつながりの話題を。東京辺りで最もポピュラーな種は、やはり29日に搭乗したツマグロオオヨコバイでしょう。では、沖縄ではと言うと、このオサヨコバイでしょうか。
 この両種の分布域を調べてみると、「?」マーク付きながら、ツマグロオオヨコバイも沖縄に生息している可能性があるようです。また、オサヨコバイも本州以南が分布となっています。しかし残念ながら、東京でオサヨコバイを見たことも、沖縄でツマグロオオヨコバイを見たことのどちらもありません。
 このオサヨコバイ、複眼の中央に2本の黒い横筋が走っています。そして、左右の複眼の間にも1本の黒い筋があり、複眼の存在を目立たなくしているのでしょうか?鳥の過眼線を連想させます。

2005.8.29

 さぁ、今日から再び亜熱帯沖縄の生活です。東京を発つ直前に撮ったのが、このツマグロオオヨコバイ。
 コンパクトデジカメでの接写は広角側で威力を発揮しますから、かなり被写体に接近しなければなりません。そのために、小さな昆虫には度々逃げられてしまいます。その逃げられてしまう昆虫の代表が、このツマグロオオヨコバイでしょうか。のんびりしているようでいて、近づくとピンッと一気に視界から消えてしまいます。
 ところが、今日のツマグロオオヨバイは、羽化直後だったため、かなり接近してもなかなか逃げる気配を見せませんでした。いつもは、粉をふいたようなマットな質感なのですが、羽化直後は透明感を感じます。さらに、とまっていたのが表面に光沢のあるガジュマルの葉のため、下側の葉がレフ板のような働きをしてくれ、なかなか初々しい感じで写っていました。


ツマグロオオヨコバイ羽化直後
Ricoh Caplio GX8


アブラゼミ交尾ペア
NikonD2X Insecteye-Lens Speedlight
2005.8.28

 今日も短時間ですが、虫の眼レンズによる撮影をしました。運良く何故か地面に近い草むらで交尾をするアブラゼミのペアを見つけました。大きさといい、逃げない点といい、格好の虫の眼レンズ向きの被写体です。
 三脚も使い、慎重にピント合わせをしたためか、今日の写真は、被写体にも背景にも、かなりよくピントがきています。願わくば、もう少し空が青く、背景に通行人が入ってくれるとよかったのですが・・・
 さて、明日からはアブラゼミではなくリュウキュウアブラゼミの世界へ復帰です。

2005.8.27

 昨日からそのような傾向はあったのですが、今日は午前中からやたら当サイトへのアクセスが多いのです。ちょっと不思議に思い、ログを解析してみると、価格コムの掲示板で、「虫の眼レンズ」関連でサイトが引用されたようです。
 ならば、そこからこちらにジャンプして頂いた方のためにも、虫の眼レンズによる傑作作例をアップしなければ!と思ったものの、現実は実に駄作しか撮影出来ない不甲斐なさ・・・(写真上)
 ならば、せめてそこでお薦めした機材(Ricoh CaplioGX8)による作例もとアップしました。運良く、実家の近くの植え込みに、何かに悩むようにじっと佇むイチモンジセセリが1頭。まずはワイコンを装着せずに、ワイド端の28mm相当の画角で1ショット。ただ、日陰のため、最小絞りまで絞り込めず、背景の描写が今ひとつ・・・(写真中)
 では、最後に純正ワイコンを装着し22mm相当で撮影してみたところ、これが最も接近出来たのです。しかし、やはり最小絞りではない中間絞りでは、あまり虫の眼レンズ的パンフォーカスは得られませんでした(写真下)。
 ということで、もっと相応しい作例は過去の記事をご覧ください・・・


アシナガバチの巣
NikonD2X Insecteye-Lens Speedlight

イチモンジセセリ
Ricoh Caplio GX8 F4.7

イチモンジセセリ
Ricoh Caplio GX8 Wideconversion-Lens F4.7


ニガウリの実と種
Ricoh Caplio GX8
2005.8.27

 私のサイトの御常連の森のどんぐり屋さんのブログ「そよ風つうしん」で、ニガウリ(ゴーヤ)の話題が取り上げられていたので、私も参加させて頂きました。
 長い沖縄生活の故、ゴーヤとの付き合いも当然古いのですが、九州育ち両親の影響で、子供の頃から夏になると庭で栽培したものを食べさせられていたため、実際のニガウリ歴はもっと長いのです。ところがブログの中で、種の周りの赤い果肉が食べられると紹介されていたのですが、まだその部分を食べた経験がないのでちょっと意外でした。
 今回の上京の際、今年も実家の庭で実を着けたニガウリのいくつかが熟して割れ、中の赤い果肉に覆われた種が目に入りました。早速、口にしてみると、思ったよりも癖のない甘みを味わうことが出来ました。さぁ、そろそろゴーヤの本場、沖縄の生活に戻らなければなりません。

2005.8.26

 昨夜は、糸崎公朗さんの写真展の後、会場に集まった皆さんと飲み会になりました。宴の主役はもちろん糸崎さんだったのですが、持参していた「虫の眼レンズ」で記念写真を撮ろうと、バッグから取り出して組立てたところ、いつの間にか、このレンズの話題が主役となってしまったようです。
 これまで、このタイプのレンズは、自作するしかなかったのですが、今年になってから、オーダーメードが可能となったのです。当初、試写した印象は、それまで見慣れていた写真用レンズの画像と比べると、ちょっと眠いと感じたのですが、その後操作に慣れ、撮影を繰り返していくうちに、結構シャープなことに気付かされました。他の方々の自作されたレンズに比べても、かなり優れた性能のようです。昨夜の会の中での情報交換からも、そのことが確信出来ました。せっかく手に入れた優秀なレンズなのですから、もう少し、その性能を活かした写真を撮らなければいけないですねぇ。


アブラゼミ
NikonD2X Insecteye-Lens Speedlight


「実験・デジワイド」写真展
Ricoh Caplio GX8 WideConversion-Lens
2005.8.25

 今回の上京の一番の目的は、知合いの写真家、糸崎公朗さんの写真展を拝見することです。「実験・デジワイド」というタイトルの作品は、都会の街並に生息する昆虫たちの姿を、背景の環境にまでしっかりピントを合わせて撮影したものです。
 かつて私も2回写真展を開いたことのある、新宿東口高野ビル4Fのコニカミノルタプラザで9月2日まで開催されています。なかなか迫力のある作品ですので、機会がありましたら、是非ご覧ください。
 全く同じ会場で、3年前の夏に行った私の写真展の最終日も、ちょうど台風の接近した日だったのを思い出しました。

2005.8.25

 東京に来ています。本当は今晩の最終便に乗る予定だったのですが、台風11号が関東地方に接近してきたため、一日繰り上げて昨夜着きました。
 さすがに今日は朝から、かなりの降りです。コンパクトカメラで雨脚を写し止めるのは結構難しいのですが、今日の降りはちょっと設定を変えただけで、こんなに写ってしまいました。
 まだ風は強まっていませんが、今晩都心に出かける用事があるのにちょっと心配です。


土砂降り
Ricoh Caplio GX8 Speedlight


ハエの一種
Ricoh Caplio GX8
2005.8.24

 畑の隅に植えられているオクラの蕾に1匹のハエがとまっていました。体長はちょうど1cmくらいでしょうか。何の変哲もないありふれた写真ですが、こんな写真がいとも簡単にコンパクトデジカメの手持ち撮影で、写せてしまう時代になったんですね。
 昨日はキヤノンのフルサイズ一眼デジカメの話題に触れましたが、次から次へと開発されて世代交代していくデジカメやパソコンの世界は、長くひとつの機械を使い続けることを許してくれない時代になりました。しかし、確実に高性能に、より低価格になっています。そして、それが当たり前になってしまい、次から次へと出現する新機種へ愛着を感じる前にもう次の機種へ移行する繰り返しです。さらに、新しい機種の粗捜しをするのが日常のような気もします。何か役立つ情報はないかと、関連の投稿板を覗くと、独りよがりの勝手な発言の数々が鼻につくばかりです。
 私の愛用しているコンパクトデジカメのメーカーから、このような流れに一石を投じるような意欲的な新機種が近く発表されるようです。果たして、どのような道具なのか、今から楽しみです。

2005.8.23

 オキナワクワゾウムシとほぼ同時に見つけたのが、アオムネスジタマムシ。近づけば、すぐに逃げてしまいそうだったのですが、実際は、飛ぶこともなく歩いて移動するだけで、かなりのシャッターを押させてくれました。ところが、苦労して撮影した虫の眼レンズによるものは、イマイチでした。手持ちで簡単にシャッターを押した、コンパクトデジカメによる写真のほうが、ずっと雰囲気が出ているのです。皮肉なものですね。
 話は変わりますが、キヤノンからフルサイズ撮像素子の新型一眼デジカメが発表されました。同社には、これまでも同様の仕様の機種がありましたが、100万円近い価格と1.2kg超の重量では、余り実用的とは言えませんでした。それが、実売30万円台半ば、ボディ重量800g強という意欲的な新機種なのです。
 撮像素子のサイズに関しては、フルサイズを支持する人と現在主流のAPS-Cサイズを支持するとがいますが、やはり画質を追求するならば、フルサイズの優位性は動きません。私の愛用するニコンにも、是非フルサイズ機という選択肢も提供して欲しいものです。


アオムネスジタマムシ
Ricoh Caplio GX8


オキナワクワゾウムシ
NikonD2X Insecteye-Lens Speedlight
2005.8.23

 今日も虫の眼レンズに相応しい被写体探し。ところが、なかなかそれらしい主役と背景の組合わせが見つかりません。やっと撮影可能な大きさと逃げにくい昆虫を見つけたときには、もう陽が陰って、背景が沈んでしまいました。
 虫の眼レンズを入手して1カ月余り。操作にはほぼ慣れてきましたが、まだこれと言った、虫の眼レンズならではの状況に出遭えていません。間もなく8月も終わろうとしていますから、もったいないことです。 

2005.8.22

 今日は、厚い雲に覆われ、ときどき雨が落ちたりと、あまり天気に恵まれませんでした。
 そんな中でも、少しずつ季節は進み、秋が徐々に忍び寄っているようです。ついこの前までは、オオジョロウグモの雌はまだ小さな個体が多かったのですが、夏の間にたくさんの餌を捕食したのでしょう。急に大きく成長したように思います。
 日本最大のオオジョロウグモの大きさを表すために、虫の眼レンズで撮影してみました。しかし、天気が悪く光量が足りず、余り絞り込むことが出来ずに、背景をカリカリにまでシャープに写し取ることは出来ませんでした。


オオジョロウグモ
NikonD2X Insecteye-Lens Speedlight


愛用ストロボ
Ricoh Caplio GX8
2005.8.21

 仕事に使う機材の悩みは、常について回ります。特にボディとストロボに関しては、なかなか満足ということがありません。現時点での最大の悩みは、ストロボの同調に関するものです。ボディに関しては、今年になってやっと発売されたニコンD2Xに、かなり満足しています。ところが、デジタル時代になってからのストロボに関しては、同調と調光方式が変わった所為か、最新の機種でないと満足な機能を得られません。
 以前は、改造したストロボを愛用していましたが、最近は左の写真の機種をメインで使っています。かなりコンパクトで必要な機能だけがあり、前傾したデザインは接写にも使い易く、計4台も購入してしまいました。しかし、デジタル撮影で逆光でもう1台同調させようとすると、カメラ側のメインストロボをオートからマニュアル発光に切り替えなければならないのです。これは、実用的ではありません。
 この機能を満たす後継機種(ウェブ上)があるのですが、大型で在り来たりのデザインなのです。近頃、思うのですが、新機種を発売するのはよいのですが、それまでの機能、仕様をしっかりと受け継いだものにして欲しいのです。あるいは、利益効率を追求した自由経済の行き着く先は、統制経済に限りなく似ているのかもしれないなどとも思ってしまいます。

2005.8.20

 事務所の駐車場の前で1頭のヤマトシジミを見つけました。逃げられないようにそうっと近づき、何枚かのシャッターを切ったのですが、気がつくと周りには何頭ものヤマトシジミがいるのです。しかも、そのどれもがほとんど傷のない新鮮なチョウばかりです。
 本土よりも1カ月程早く梅雨を迎え、そして明ける沖縄では、8月になると、もう乾燥が進み、あまり昆虫の活発な活動の姿が見られないため「夏枯れ」と呼んでいます。
 17日のクロツバメもそうでしたが、ここ数日急に新しく羽化してきたと思われる昆虫の姿を目にするようになってきました。既に、夏枯れの季節を抜け出しつつあるのかもしれません。


ヤマトシジミ
Ricoh Caplio GX8


クロツバメ
Ricoh Caplio GX8 Wide-conversion Lens
2005.8.17

 夕方、事務所に戻って来ると、壁にクロツバメがとまっていました。まだほとんど翅の擦れていない新鮮な個体です。
 今日は残念ながら、花にやって来るチョウの姿を撮影する時間には恵まれませんでしたが、広角レンズを使った接写という同じ手法で撮影してみました。この蛾は、触角の先端から翅(はね)の先端までが約5cmですから、まぁ標準的な昆虫の大きさの範囲でしょう。それを横位置の画面ほぼいっぱいに入れて、最小絞りのF8.1まで絞って撮影したのですが、背景はそれ程クリアに写っていません。
 最近、虫の眼レンズなどに代表されるメインの被写体から背景までクッキリとピントの合っている写真をよく撮るのですが、ときどき構図によっては、被写体が背景の環境に埋没してしまって煩く感じることもあります。理想は、どのような環境か判る程度にボケていることなのかもしれませんが、これが意外と難しいのですね。拡大する程、ボケは強調されますから、写真のサイズによって異なるわけです。撮影のときから、この写真はどのようなサイズで使うか決まっているわけではないので、判断が難しいのです。

2005.8.17

 今日は残念ながら、ここ数日通っていたチョウの撮影ポイントに行く時間がありませんでした。
 しかし、皮肉なもので、今日はとても大気がクリアで、青空が美しく、積乱雲が沸き立っていました。こんな典型的な夏空を背景にチョウの飛翔カットが撮影出来たら、どんな映像が残せたでしょうか。
 さらに先月初めに八重山で行ったヘリ空撮も、こんな大気の条件だったら、どんなに奇麗だったかと、ふと思いました。


積乱雲
Ricoh Caplio GX8


ナミエシロチョウ雌
NikonD2X Sigma15/2.8Fisheye Speedlight
2005.8.16

 今日もまた同じポイントにチョウの撮影に行ってきました。今日の機材は、一眼デジカメに対角魚眼レンズと、このジャンルの撮影では王道とも言える組合わせです。
 確かに、早いシャッター(1/250sec.)が切れますし、ファインダーは明るくよく見えます。そして、シャッターのタイムラグも少ないのですが、どうも撮影された絵が面白くありません。画面内に飛んでいるチョウが写っている歩留まりはとても高いのですが・・・
 以前だったら、かなり満足のいく映像でも、最近はいろいろと個性的なレンズが出現し、今では当たり前に感じるようになったのかもしれません。より強い刺激を求めているのかもしれません。昨日書いたように、歩留まりとインパクトのある映像は、対極に位置しているのかもしれません。

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