南島漂流記
2005年8月前
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2005.8.15

 昨日見つけたチョウの撮影ポイントへ今日も行ってきました。昨日たくさんのチョウが引っ切りなしに花に飛来する光景を見て、もっと小回りの利く機材で撮影したいと思ったのです。昨日は、暗い虫の眼レンズでしたので、飛び回っているチョウを追いかけ回すことは不可能です。そこで、今日はコンパクトデジカメだけを持って撮影に行きました。
 背景までピントが合い、動きのあるチョウもクリアに写し止められているという観点からは、確かに昨日よりも多くのシャッターを押す機会に恵まれましたが、その成果は、昨日と大きな差はないようにも思います。では、一眼レフで撮影すれば、もっと歩留まりが上がるのでしょうか?歩留まりは悪くとも、インパクトのある写真を撮れる機材はどれでしょうか?明日は、一眼レフを持って行ってみようと思います。


オオゴマダラ
Ricoh Caplio GX8 Wide-conversion Lens Speedlight


ツマムラサキマダラ雌
NikonD2X Insecteye-Lens Speedlight
2005.8.14

 次に、昨日から気になっている場所を訪れてみました。小さな池と周囲の狭い植え込みだけの、とても小さな公園です。しかし、ここではトンボの仲間がよく見られますので、それを狙いに行ったのです。
 ところが、ここで見たのは、池の背後の斜面に植えられたホウライカガミの花に絶え間なく訪れるチョウたちです。この植物を食草にするオオゴマダラをはじめ、リュウキュウアサギマダラ、ツマムラサキマダラ、アオスジアゲハ、シロオビアゲハ、ウスキシロチョウ、ウラナミシロチョウなどなど、この空間だけは夏枯れなど嘘のようです。
 格好の撮影ポイントを見つけたのですが、残念ながら昨日のような青空が今日は広がっていません。天気予報では、今日も一日晴れなのですが、空のほとんどを雲が覆っています。なかなか巧くいかないものです。

2005.8.14

 今日も、虫の眼レンズによる撮影に出かけました。8月中旬の亜熱帯沖縄は、夏枯れ状態なのでしょうか?高台から海を背景にした、昆虫の姿を探したのですが、残念ながら見つかりませんでした。
 そして、最初に目に付いたのが、このナガマルコガネグモの幼体です。日本最大のオオジョロウグモを初め、まだクモのなかまは小さな種が多いようです。もっとローアングルで、青空を広く入れたかったのですが、これでも手持ち撮影で地面ギリギリです。
 暗い虫の眼レンズの画像ですので、撮影時のファインダーでは気付きませんでしたが、高圧鉄塔がクモの網に重なるように写っています。画面内に人工物が入るのは必ずしも好きではないのですが、この場合は、この鉄塔がないと、何処か間の抜けた画面に感じられます。


ナガマルコガネグモ
NikonD2X Insecteye-Lens Speedlight


クマゼミ
NikonD2X Insecteye-lens Speedlight
2005.8.13

 結局、じっくり撮影出来たのは、虫の眼レンス購入直後にも撮影した、幹にじっととまるクマゼミです。
 確かに逃げられることもなく、落ち着いて撮影出来るのですが、動きがなく、背景もあまり面白くありません。何処か、虫の眼レンズの操作練習をしているような気分です。
 さて、明日も虫の眼レンズで夏の虫たちを追いかける予定です。

2005.8.13

 トンボの第二弾が、このリュウキュウベニイトトンボ。リュウキュウギンヤンマに比べると小さな種類なので、余計に近づかなければなりませんが、あまり警戒心が強くないので、結構近づくことが出来、まぁまぁの大きさになりました。
 適度に水生植物も青空と白い雲も写し込まれましたし、ショウジョウトンボもオマケで登場してくれています。しかし、画像をプレビューすると、画面隅がケラれています。ちょっと撮影距離を変えただけで、ケラレが生じてしまう虫の眼レンズの扱いは難しいですねぇ・・・


リュウキュウベニイトトンボ
NikonD2X Insecteye-lens Speedlight

産卵するリュウキュウギンヤンマ
NikonD2X Insecteye-lens Speedlight
2005.8.13

 次に小さな池のトンボ狙いです。水草や水生植物の生い茂る池には、何種類ものトンボの仲間が訪れています。
 しかし、虫の眼レンズを手に近づくと、まだファインダー内では小さな存在のうちにどれも飛び去ってしまうのです。やっとファインダー内でもある程度の大きさになったのが、産卵するリュウキュウギンヤンマでした。まぁ、元々サイズが大きいですから、簡単なのかもしれません。しかし、いくら視野の広い虫の眼レンズでも、見下ろすようなアングルでは、あまり背景が写らず、面白くありませんねぇ・・・

2005.8.13

 今日は朝から、絵に描いたような夏空が広がっています。入道雲も適度に浮かんでいます。これは、虫の眼レンズの撮影日和とばかりに、このレンズを装着したデジカメ1台だけを手に外に飛び出しました。
 まずはランタナの植え込み。背後に石垣もあり、地味ながらセセリチョウが数種吸蜜に訪れています。しかし、カメラをセットし待ち続けること30分、目当ての花にはチョウは訪れません。撮影者が干物になる前に移動しました。う〜ん、完璧なシュチエーションだったのですが・・・


夏空のキバナランタナ
NikonD2X Insecteye-lens Speedlight


微動装置
Ricoh Caplio GX8
2005.8.12

 ここ2週間ばかり、探していたものがあります。接写時に微妙なピント合わせをするための簡単なアクセサリーです。このところ暫く使っていなかったのですが、最近購入した「虫の眼レンズ」と組み合わせて使用しようと思ったのですが、なかなか探し出せないでいました。結局、これまた最近使わないでいたコピースタンドに取り付けてあったのです。
 さて、この微動装置は、昆虫写真を撮り始めた高校時代に買ったものだと思います。恐らく、自分で買った写真用品の中でも、ごく初期のもののひとつです。乏しい予算の中から、モノクロの小さなカタログ写真を何度も眺め直しつつ注文したのに違いありません。そして、使い易くするために、邪魔な突起をヤスリで削ったり、台座に三脚ネジを追加して切ったりと、ちょっとした加工がしてあるのに気付きました。
 何も高価な物は買えませんでしたが、ひとつひとつ熟考して注文し、愛着を込めて扱っていた頃を思い出しました。明日は、最新購入の虫の眼レンズと30年近く以前に購入した微動装置を組み合わせての撮影をしてみましょう。

2005.8.12

 ホテイアオイの花は、昔から惹かれるものがありました。しかし、人間のホテイアオイに対する評価は一定ではありません。
 明治時代に観賞用として輸入されたそうですから、やはり初めから花の美しさは認められていたようです。
 簡単に増えると評価されるかと思えば、増え過ぎて水の流れを妨げると言われることも。また、水質浄化に効果があるかと思えば、水面を埋め尽くした後の除去費用が膨大で、害草にされたりと。
 ハブの駆除用に導入されたマングースが、今ではヤンバルクイナの天敵として敵視されたりと、人間の都合で移動された挙げ句、邪魔者扱いされたりするのは、動物だけではなく植物の世界でも同じです。元々、生物はどれもが野生種だったのです。それぞれが生息する生態系の中で、微妙なニッチを確立していたのに、人間の都合である一面だけ評価されて、移動させられると、移動先でどのような存在になるかは複雑です。


ホテイアオイ
Ricoh Caplio GX8


産卵するクマゼミ
Ricoh Caplio GX8
2005.8.11

 1頭のクマゼミが近づいても逃げようともせずに、枝にとまっていました。最初は弱っているのかと思いましたが、よく観ると産卵している雌でした。
 前にも書きましたが、セミは吸汁する木や、鳴いたり繁殖行動を見せる木、産卵する木が必ずしも同じではありません。
 今日、産卵していた樹種は判りませんが、明らかに外来の栽培樹種です。ちょっと不思議な気もしますが、繁殖力の旺盛なクマゼミならば普通のことなのかもしれません。

2005.8.10

 7日に続いて、事務所裏のキベリヒゲナガサシガメです。一度、ここにもいることを知ってしまうと、比較的簡単に姿を見つけることが出来るようになります。特にこのように小さな昆虫の場合は、意識的に探さないことには、目にも入ってきませんから、普段足下にいても気付かないのでしょう。
 今日は短時間に3〜4匹の姿を見つけました。動物は、人間の目撃する数の10倍近くが実際には生息すると言われますから、この場所に生活するキベリヒゲナガサシガメの数は決して少なくないのでしょう。もちろん、時期的なものもありますが。
 もっとも、生き物の実際の生息地というものは、このようなものです。なかなか出遭うことの叶わない種でも、一度見つけてしまえば比較的容易に遭遇出来るようになります。そして、その環境と言えば「な〜んだぁ!」というようなことが多いのです。


キベリヒゲナガサシガメ
Ricoh Caplio GX8


ウスカワマイマイ?
Ricoh Caplio GX8
2005.8.7

 事務所裏での映像をもう1枚。最も多く目に付いたのが、このカタツムリです。恐らくウスカワマイマイの幼体でしょう。
 ちょうど下の葉から上の葉に移動しようとしているのですが、乗り移る前は、小さな眼が真剣に見えるのですが、何とか乗り移るのに成功した直後は、余裕が出来たのか、ちょっと余所見をしているような、あるいは自慢げな目付き(?)に見えてしまうのが不思議でした。
 最近は見ませんが、一時期空を飛ぶ夢や深い海を自在に泳ぎ回る夢をよく見ました。カタツムリになってアクロバティックな空間を移動する夢はどんな感覚を味わえるのでしょうか?

2005.8.7

 天気予報では、今日から晴れるはずだったのですが、それ程の好天ではありませんでした。ただ、風は弱わまってきたので、夕方になってカメラを片手に事務所の裏に出てみました。
 大家さんがいろいろな草木を植えているために、結構いろいろな昆虫に出遭うことが出来るのです。そして、いつもは山原(やんばる=沖縄本島北部)で見るような、意外な昆虫を見かけることもあります。
 このキベリヒゲナガサシガメもその一種です。以前もここで見かけたことがあるのですが、シャッターを押す前に逃げられてしまいました。今日も、一度は見失ったのですが、再度見つけ、数枚のシャッターを切ることが出来ました。体長12mm前後、1/20sec.程のシャッタースピードの条件では、1枚しか使えるカットはありませんでしたが、ちょっとやり残した宿題を片付けたような気分です。それにしても、この色彩で何故「キベリ」なのでしょう?


キベリヒゲナガサシガメ
Ricoh Caplio GX8


オサハシブトガラス
Ricoh Caplio GX8
2005.8.6

 沖縄本島も台風9号の影響がまだ残り、ときどき雨が落ちて来たり、風が強かったりと、なかなか撮影日和となりません。仕方なしに先日まで西表島で撮影した映像の整理をして過ごしています。
 そんな映像の中に、こんなカットが入っていました。1日にカンピレーの滝で昼食をとっていたとき、カラスが近くまで寄ってくるのです。人間の持っている食料狙いなのが見え見えです。あちらこちらで、弁当を広げている人の周りでは、ほぼ同じ光景が展開されてました。面白半分で、餌を与えるとそれが癖になって、また寄ってくるのでしょうね。あるいは、目を離した隙に弁当を持っていかれてしまうことも度々のようです。
 こうやって人間がカラスを増やしてしまっているのでしょう。観光客の多い季節は、こうして人間から得る餌が豊富でしょうけど、観光客の少ない季節は、他の野生動物に影響を与える可能性も考えられ、心配です。

2005.8.3

 台風9号が近づいてきたため、予定を繰り上げて、石垣島へ渡りましたが、かなりの空席待ちのため、空港ロビーでこの南島漂流記を書いています。
 今回、西表島に滞在していて不思議だったのが、クマゼミの鳴いている姿をあまり見なかったことです。7月31日に紹介したように羽化する姿や抜け殻はたくさん見るのですが、鳴いている成虫はわずかで、しかも茂みの奥や高い所から鳴き声が聞こえてくるばかりで、なかなかその姿が確認出来ません。
 ちょっと不思議に思い、羽化の集中して見られる場所に夜明け直後に行ってみたところ、カラスが地上に数羽いるのです。その現場は見ていませんが、もしかすると羽化直後のクマゼミを食べているのかもしれません。


クマゼミの抜け殻
Ricoh Caplio GX8


ヤエヤマハナダカトンボ
NikonD2X Tamron90/2.8Macro Speedlight

Ricoh Caplio GX8 Speedlight
2005.8.1

 今日撮影したトンボの中で、最も時間を割いたのが、このヤエヤマハナダカトンボでした。
 西表島固有種で、それにかなりの奥地の渓流環境でないと見られません。カンピレーの滝へ行く途中のいつものポイントでも、行きには見当たりませんでした。帰りにも捜してみましたが、姿がなく、これも先日の台風の影響かと諦めかけたとき、橋に覆い被さるように伸びている枝の先端にとまっている1匹のヤエヤマハナダカトンボに気付きました。
 いつもは神経質で小さい上に、なかなか近づかせてくれないのに、今日はレンズ先端が触るくらいに接近してもじっとしています。ビデオで、デジカメでと、存分に撮影した後、急に飛び立って姿を消してしまいました。そのときふっと時計を見ると、帰りの遊覧ボートの最終便に乗るのにちょうどよい時間でした。時間まで最適なお膳立てだったようです。
 さて、望遠マクロ(上:135mm相当)で撮影した背景の奇麗にボケたカットと、広角(下:28mm相当)での背景までよく解るカットと、皆さんはどちらがお好みでしょうか?

2005.8.1

 ほぼ一カ月ぶりに、マリウド、カンピレーの滝に行ってきました。前回、あまり数の集まっていなかったチョウの集団吸水を撮影するためです。ところが、今回は前回よりも悲惨な結果で、1頭のチョウも吸水している姿が見られませんでした。
 その代わり、至るところに見られる渓流環境で、トンボの撮影をし、気分的には結構楽しい1日でした。
 このコナカハグロトンボは数多く見られますし、幾度となく撮影し、ここでも紹介してきました。それでも今日撮影した写真は、背景の小さな滝がちょうどよい具合に入り、コナカハグロトンボの典型的な生息環境が描けたのではないかと思います。


コナカハグロトンボ
Ricoh Caplio GX8

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