南島漂流記
2005年1月前
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2005.1.15

 八重山諸島に生息するもう1種類のサソリが、このヤエヤマサソリです。マダラサソリに比べると、ひと回り小型で、ずんぐりとした体型です。色彩も地味でパッとしませんが、八重山諸島の固有種です。一方、マダラサソリは小笠原諸島でも見ることが出来ます。
 生息場所は、このような森や林の朽木の中です。普通に、森の中を歩いている限りは、まずこの姿に出会うことはありませんが、朽木なのど樹皮を剥がすと、この姿を目にします。致命的ではないにしろ、森の中のあちらこちらの朽木の中にサソリが潜んでいると思うと、ちょっと不気味な気もしてきます。


ヤエヤマサソリ
NikonD100 DX Nikkor Fisheye10.5/2.8 Speedlight


マダラサソリ
Ricoh Caplio GX Wide-Converter
2005.1.15

 今回の西表島での目的は、危険生物の撮影です。沖縄本島地方には生息しない、サソリやクモなどが被写体です。西表島の属している八重山諸島には、このマダラサソリとヤエヤマサソリの2種が生息しています。
 ヤエヤマサソリよりも、やや大型で、毒性も強いとされるマダラサソリの最も典型的な生息環境は、モクマオウの樹皮の下などです。和名の由来の斑模様と明褐色の体色は、このような生息環境ではカムフラージュの効果が高く、目の前にいても気付かないほどです。そして、このモクマオウは、海岸線の防風林に多く植えられていますから、人間との接点も少なくありません。
 というと、八重山の島々は、ハブやサソリの危険に満ち溢れているように感じるかもしれません。しかし、このサソリの毒性は決して致命的なものではなく、せいぜいハチに刺された程度なので、それ程心配するものではありません。

2005.1.14

 今日から4泊で西表島です。この時期のいつものように荒れる海を高速船40分余りで辿り着いた西表島は、北風と雨で出迎えてくれました。それでも、雨の合間を縫って撮影を続けていると、ときどき雲間から陽も顔を出すようようになりました。
 陽に照らされた山並を振り返ると、早くも新緑の気配が濃厚に広がっています。そして、その麓にはサトウキビの花穂が風に揺れています。
 普通、沖縄本島では新緑は3〜4月に見られます。一方、サトウキビの花穂は、12〜1月ですから、このふたつが同時に見られるということは、まずありません。野生の樹木と栽培植物との組み合わせですが、沖縄本島よりもさらに温暖な西表島ならではの、光景と言えるでしょう。


新緑の山並とサトウキビの花穂
NikonD100 Sigma18-125/3.5-5.6 PL-Filter


クレーンを使用したビデオ撮影
Ricoh Caplio GX
2005.1.8

 ビデオ撮影用のクレーンを購入し、山原(やんばる=沖縄本島北部)でテスト撮影をしました。クレーンとは、ビデオカメラを空中の任意のポイントを移動させながら撮影する装置です。大型のものは、撮影者とカメラを載せ移動撮影が出来ます。また、小型の物はミニクレーンとかジブとか呼ばれ、カメラだけを先端にセットし、地上にいる撮影者が操作するものです。
 今回は、今夏西表島で予定している滝の撮影のためなので、ミニクレーンの中でも、特に軽量小型のものを選びました。分解したときの全長は1.65mですが、組み立てると全長4.8mになる上に、本体重量は6.5kgとなかなかのスグレものです。これならば、西表島の渓流環境に持ち込み、落差のある滝の迫力ある映像をものに出来るでしょう。
 山原でのテスト撮影は、あまり天気に恵まれませんでしたが、それでも森の中を空中散歩するような面白い映像を撮影することが出来ました。

2005.1.2

 昨年も、実家に庭に咲くロウバイの花を元旦に撮影しています。そして、芯まで黄色い品種をソシンロウバイということを確認したのも昨年のことでした。
 花着きは、昨年のほうがよかったように感じます。しかし、今年は昨年にも増して天候に恵まれました。元旦から快晴となり、青空バックに、太陽光を受けた花がいくつも見られます。正に、和名の「蝋梅」に相応しい質感です。
 野生生物を相手にした撮影をしていますと、その生物の条件だけではなく、気象条件にも撮影結果は左右されます。被写体、撮影者、気象の3つの条件が揃って、初めて納得のいく結果が得られるのです。さて、今年のフィールドでは、どのような出会いが待っているでしょうか?
 明日からまた、亜熱帯沖縄での生活です。


ソシンロウバイ
Ricoh Caplio GX


元旦の朝
Ricoh Caplio GX
2005.1.1

 3年続きで、東京で新年を迎えました。前日の大晦日の午後に降った雪が残る中、快晴の元旦となり、なかなか爽やかな新年の景色です。
 写真は、私が永年使ってきた実家の自分の部屋からの眺めですが、実際に住んでいた9年間で、このような元旦の景色を観た記憶はありません。一昨年は、2日に雪が降った記憶はありますが。
 このところ、リコーのコンパクトデジカメを愛用しているため、この南島漂流記の撮影データにも頻繁に登場します。そのため、もう長いこと使用している気がしますが、昨年、一昨年の東京の正月の写真は、ニコンの一眼デジカメで撮影しているんですね。この機種が登場したのは、昨年5月末ですから、当然と言えば当然なのですけど。今年もたくさんの新製品が登場することでしょう。その中で、この機種のように使用頻度の高い魅力的な道具に出会えるといいのですが、今から楽しみです。

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