南島漂流記
2003年8月
>戻る


前夜羽化したヨナグニサンの雄
NikonD1X Sigma15/2.8 Fisheye Speedlight
2003.8.14

 今回の撮影の最大の目的のヨナグニサン。島に到着したその日の晩にも、2頭の雄を見る事が出来ましたが、2晩目の昨夜は羽化のシーンに出会えました。尤も、もう半分以上翅の伸びた状態でしたが・・・
 しかし、この羽化の撮影は想像以上に難しいものなのです。何しろ、チョウの蛹と違い、繭に包まれた蛹は、羽化の徴候が全く掴めません。加えて、既に羽化済みの繭も、これから羽化を待つ繭の区別も確実とは言えません。ひたすら、頻繁にヨナグニサンの生息密度の高いフィールドに通い、日没後の羽化時刻にひとつひとつの繭を見て回るしかありません。
 日本最西端の与那国島で日本で一番遅い夕陽が沈んだ直後に、世界一大きなヨナグニサンが翅を拡げるのです。なかなか夢のある世界なのですが、その場面に出会うのはそうそう簡単なことではありません。無事羽化を終え、翌朝の朝日を大きな翅に受けるヨナグニサンの姿も、迫力のあるものです。
 

2003.8.13

 昨日から、日本最西端の与那国島を訪れています。今回の取材のメイン対象は、世界最大の蛾ヨナグニサンです。ヨナグニサンは夜行性なので、撮影時間帯は日没後になりますが、昼間も与那国島に生息する固有種を追い掛ける予定です。
 そのような日中の被写体探しの途中、林道脇のカラスザンショウの花に群れるオオゴマダラたちに出会いました。その数、1本の木で100頭近くにもなるでしょうか。余り花らしい華やかな花ではないのですが、オオゴマダラたちにとっては、余程魅力的なのでしょう。飽きることなく、いつまでも蜜を吸い続けています。しかし、この花の寿命は短く、このような状況が見られるのは、ほんの数日間だけのようです。
 オオゴマダラは沖縄の他の島々にも生息し、与那国島の固有種ではありませんが、世界最大の蛾のヨナグニサンと日本最大の蝶オオゴマダラの組み合わせもなかなかのものです。


オオゴマダラの吸蜜集団
NikonD1X VR Nikkor80-400/4.5-5.6ED Speedlight


柏崎市立博物館 夏の特別展講演会
Nikon Coolpix5700 Speedlight
2003.8.3

 7月25日から8月31日までの予定で、新潟の柏崎市立博物館で、夏の特別展「琉球列島の多様な昆虫たち」が開催されています。その写真展示部門の主要な写真約70点を提供しています。
 また、8月3日には「沖縄に生息する昆虫たち」というテーマで、約2時間に渡り、90点程のスライドを使い講演を行いました。今夏初めての夏らしい天候、さまざまな夏休のイベントと重なり、会場も満席とはなりませんでしたが、横浜からわざわざ駆け付けてくだった方もおられ、とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。
 すっかり拉致問題と原発で有名になってしまった柏崎ですが、豊かな自然に囲まれたなかなか魅力的な環境でした。このような場所で、私の撮影してきた亜熱帯の昆虫たちの姿、生活を紹介出来る機会に恵まれ、有意義な1日となりました。

>戻る