南島漂流記
2005年11月後
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2005.11.30

 トベラの実が爆ぜて、目を引く季節を迎えています。この状態の実はあまり長い期間は見られません。粘着物質に覆われた実は、次第に糸を引いて落下していくのです。
 どこかザクロを思わせる実ですが、春先に咲く花はもっと地味な存在です。白やクリーム色の小さな花をたくさん着け、ジャスミン系の香りを放ち、控えめな印象です。しかし、この季節に見られる実は、打って変わって、毒々しい色と存在に変わります。


トベラの実
Ricoh Caplio R3


アカタテハ
Ricoh GR Digital Wide-conversion Lens Speedlight
2005.11.29

 今日は、厚い雲と雨と北風の冬の空に逆戻りでした。それでも、日中はまだ薄日が射すこともあり、昆虫たちの姿も見られました。
 1匹のアカタテハがランタナの花で蜜を吸っていました。密に夢中なのか、低めの気温のせいか、いつものようには活動的でありません。ワイコンを付けたカメラで間近まで近寄っても、逃げることなく5、6枚のシャッターを切ることが出来ました。
 真上から翅(はね)を完全に開いた状態のカットもありましたが、やや傾いていますが、この正面やや下から撮影したカットが最も雰囲気を感じられました。これで、背景が青空だったら言うことないのですが。いえ、好天だと活動が活発でこれ程接近するのは難しかったかもしれませんね。

2005.11.28

 今日も何とか好天が続きました。次第に雲の広がってきた夕暮れに、ハイビスカスの植え込みの近くを通ると、何故かたくさんのハエが、集まっていました。
 よく見ると、盛んに葉の表面を舐めています。それも、1種類ではなく、何種類ものハエが同じことをしています。
 ハイビスカスの葉から何か美味しい物質が分泌されているのでしょうか?それにしては、ハイビスカスで、同じような光景は見たことがありません。近くの高い木から何か落ちてきたものを舐めているのでしょうか?あるいは、アブラムシの分泌した甘露が付いているのでしょうか?残念ながらその場を離れるまで、何を舐めているのかは、判りませんでした。


ハエのなかま
Ricoh Caplio R3 Speedlight


オキナワクワゾウムシ
Ricoh Caplio R3 Speedlight
2005.11.28

 一昨日も登場したオキナワクワゾウムシですが、シマグワの木を探すとまだまだ、結構な数が見つかります。
 いつもは細い枝にしがみついている姿が多いのですが、今日は緑の葉をバリバリと食べているところに出遭いました。これが、オキナワクワゾウムシの本来の姿なのですが、イメージとしては、茎の皮を食べそうなので、ちょっと意外な感じです。
 秋の陽を浴びながらバリバリと食べる緑の葉が、どこか美味しそうなサラダのようでした。

2005.11.27

 このところ、日々改良を加えてみている「虫の眼レンズ」ですが、昨夜、メインレンズと拡大レンズの間にフィールドレンズと呼ばれる薄い凸レンズを組み込んでみました。
 早速、今日テスト撮影をしてみたのですが、昨日と同じナガマルコガネグモが、なかなかよい感じで写りました。これが、フィールドレンズの効果なのか、単なる久しぶりの好天のお陰なのか、よく判りません。しかし、操作性がよいとは言えず、やや持て余し気味だった虫の眼レンズに明らかな手応えを感じた1カットとなりました。


ナガマルコガネグモ
NikonD2X Insecteye-Lens TypeIIIAa Speedlight


チガヤ
Ricoh Caplio R3
2005.11.27

 今日は、ほぼ1カ月振りの好天に恵まれました。秋のやや斜めから射す陽に照らされて、風に揺れるチガヤの群落がなかなかよい雰囲気でした。
 この季節、ススキやサトウキビなど、いろいろな植物の穂に目を奪われ勝ちなのですが、今日はこのチガヤの美しさを再確認しました。
 このカメラは、ときどき200mmの望遠付近で、ピント精度にやや不安を感じることもあったのですが、一昨日、ファームウェアをバージョンアップしてみました。その結果、今日の200mmで撮影した画像のピントは、ほとんど問題を感じられず、その効果を確認することが出来ました。

2005.11.26

 本格的な冬の到来を前に、亜熱帯ではまだまだ昆虫やクモの繁殖活動が見られます。
 ナガマルコガネグモの巣では、大きく腹部の膨らんだ雌のすぐ近くに1匹の雄がいました。このクモは、ほとんどの雄が交尾直後に雌の上で死んでしまい、その後雌に食べられてしまうのです。もちろん、不用意に近づくと雌の餌食になるので、交尾も命がけです。雌が捕食行動などに気を取られている隙などが接近のチャンスです。しかし、ちょうど目の前で食事中だったにもかかわらず、雄は接近を躊躇っていました。撮影で近寄ったため、邪魔してしまったのかもしれません。
 低くたれ込めた雲から突然雨が落ちてくるかと思うと、ちょっと陽が差し込んだりと落ち着かない今日の空模様でした。一瞬射した夕方の柔らかい光線を活かして、自然光で撮影してみました。


ナガマルコガネグモ
Ricoh GR Digital Wide-conversion Lens


オキナワクワゾウムシ
Ricoh Caplio R3 Speedlight
2005.11.26

 28〜200mmという広い焦点域を持つR3ですが、それぞれの焦点域でさまざまな性格を見せてくれます。ときどきハッとするようなシャープさに驚かされるのが、100mm前後の中望遠域です。ちょうどこの焦点距離が最も拡大率が稼げるので多用するのですが、ちょっとびっくりするような解像感を見せてくれることがあります。
 オキナワクワゾウムシの腹部のディテールが、ゾクっとするほど伝わってきます。と言っても、このサイズの画像ではすべては伝わらないとは思いますが。
 ちょうど昆虫写真のクローズアップ撮影で多用するのが、この100mm前後の画角ですから、最近は、小さめの昆虫のクローズアップには、まずこの機種を取り出すようになりました。今日も、3台のカメラを携えての撮影でしたが、果たして適材適所の機材選択が出来ていたでしょうか?

2005.11.25

 改良タイプの虫目の眼レンズで実際に撮影した画像です。体長5mm程のコハナグモがある程度のサイズに写っていますし、背景の雰囲気も判ります。
 昆虫写真と言えば、小さな昆虫を大きく拡大する必要と、逃げられずにある程度撮影距離を採る必要から、100mm前後のマクロレンズを使うのが一般的です。しかし、背景のボケた画像では、その昆虫の生息環境などが解りません。主役の昆虫もある程度の大きさに写り、なおかつ背景の環境も判るようにピントの合った画像が理想と言えます。
 それを実現するためには、広い画角と深い被写界深度が必要なのですが、それを得るにはいくつかの方法があります。最も簡単なのは、超広角レンズや魚眼レンズで接写をすることです。しかし、最短撮影距離のなるべく短い機種を選んでも、小さな昆虫が被写体では限度があります。そこで、最近大きな選択肢となているのが、接写に強い広角レンズを搭載したコンパクトデジカメです。レンズ先端1cmまで撮影出来る機能など、一眼レフ用交換レンズでは考えられないことです。また、もともと撮像素子が小さいこともあり、被写界深度はかなり深いのも利点です。それに、小型軽量のため機動性にも優れています。
 そして、もうひとつの選択肢がこの虫の眼レンズでしょう。一眼レフを使うこともあり、画質の面でアドバンテージがあります。この画面サイズでありながら、小さい昆虫も拡大出来、なおかつ背景までかなりピントの合うのが魅力です。しかし、ピント合わせも絞りの操作も手動で、さらにレンズが暗いので動きのある被写体向きではありません。今後は、被写体によってこの2つの選択肢の使い分けになりそうです。


コハナグモ
NikonD2X Insecteye-Lens TypeIII Speedlight


虫の眼レンズ改良タイプIII
Ricoh Caplio R3
2005.11.24

 今年7月に購入した「虫の眼レンズ」ですが、その構造が解り、いろいろと自分なりに改良を試みてきたのですが、現段階である程度の完成をみたのがこのセットです。
 購入した製品版の解像度はかなりよいのですが、ファインダーが暗くピント合わせがかなりシビアなのです。また、全長が長く、操作性がよくないために、フィールドでの機動性に不満を感じていました。
 ファインダーが暗い主な原因は、拡大系レンズに顕微鏡の対物レンズを使っていることにあります。そのため、今回は拡大系に一眼レフ用の20mm超広角レンズをリバースして使ってみました。さらに、このことにより全長もこれまでの30cm余から20cm強まで短縮することが出来ました。
 レンズをリバースしたために、自動絞りが作動しないのが難点ですが、これは先端のメイインレンズも同じことですから、致命的ではありません。ダブルレリーズを使用して自動絞りを機能させることも可能ですが、そうすると、カメラボディのホールディングとレリーズの操作性が犠牲になりそうです。

2005.11.21

 東京は、既に最低気温が10度前後まで下がり、昆虫たちの活動はあまり活発ではありません。しかし、よく探してみるとまだ全く見当たらないという程ではありません。
 これは、タブノキの葉裏でじっとしていたツマグロオオヨコバイです。活動の活発な時期は、さまざまな植物で見られましたが、今頃の季節になると、何故タブノキの集まっているのか不思議な気がします。さて、このような光景はいつまで見られるのでしょうか?


ツマグロオオヨコバイ
Ricoh Caplio R3 Speedlight


田園調布小学校校庭
Ricoh GR Digital
2005.11.20

 東京に2日間だけ出てきました。小学校の同窓会に出席するためです。途中で転校したために、卒業していないほうの学校なのですが、姉が卒業生なので、参加申し込みをしてもらったのです。さらに父も2年間だけ在学していたので、親子3人での参加となりました。
 父は、この小学校が出来たときの最初の1年生なのですが、第1期卒業生ではありません。独立する母体となった別の小学校から移って来た1年から5年生が先に卒業したためです。従って5期生だったことが判りました。
 流石に父の年代の出席者は疎らでしたが、10歳年上の姉は、何人かの同級生に会えて楽しそうでした。私自身の世代は、仕事に家庭に忙しい時期のようで、同級生はもうひとりだけで、3年生のときに同じクラスだったはずが、お互いに思い出すことの出来ないというものでした。
 ちょっと拍子抜けの同窓会でしたが、終了後、昔は広く感じた校庭に隅に立ち、親子3人自分達の通学した時代の校舎の配置などの話に花が咲きました。

2005.11.19

 こちらは、昆虫ではなく、爬虫類のサキシマキノボリトカゲです。まだ生まれたばかり幼体のようで、サイズ的には他の絡まっている昆虫たちと大して変わりありません。そして、まだ力が弱いのか、やはりエダウチチヂミザサの種子から離れることが出来ません。
 最初は望遠レンズで撮影していたのですが、徐々に接近してみました。ある程度の距離まで近づいたときにとても驚いたらしく、激しくもがいて、運良く種子から離れることが出来たようで、慌てて逃げ出しました。これは、直接手を下してないにしても、自然の摂理に反したことをしてしまったのかもしれません。


サキシマキノボリトカゲ幼体
Ricoh Caplio R3 Speedlight


クロモンカギバ
Ricoh GR Digital
2005.11.19

 こちらも、クロモンカギバという蛾です。ウラベニホシシャクと違う点は、まだ生きていることです。時折、この難から逃れようと、羽ばたくのですが、エダウチチヂミザサの粘着力はかなり強力なようで、離れることが出来ません。
 さらに、もうボロボロだったウラベニホシシャクと違い、こちらは羽化直後でほとんど翅(はね)に傷も見当たりません。何度か、種子から外して逃がしてやろうかと思ったのですが、これも自然界の摂理なのだろうと思い、思いとどまりました。

2005.11.19

 今回の西表島取材で最も目に付いたものというと、エダウチチヂミザサの種子に絡まっている昆虫たちです。種子の先端に細かい毛があって、そこに絡め捕られるようです。
 センダングサの種子などもそうですが、これは本来哺乳類の体毛などに種子が付着して移動し、分布を拡げるための適応のはずですが、これに昆虫が絡め捕られてしまうことに意味はあるのでしょうか?
 このウラベニホシシャクは既に死亡していましたが、やがて分解された物質が土中に染み込んで、植物の生長のための養分にでもなるのでしょうか?だとすれば、ちょっと間接的ですが、食虫植物のようですね。


ウラベニホシシャク
Ricoh GR Digital


ゴレンシの実
Ricoh GR Digital Speedlight
2005.11.18

 西表島の民家の庭でたわわに実っているゴレンシの実を見つけました。黄色く熟す前の薄緑色の実なので、遠目には見逃してしまうかもしれません。
 最近は、その断面の形からスターフルーツという呼び方もポピュラーです。しかし、やはりゴレンシという呼び名のほうが、この不思議な存在に相応しいように思います。漢字で書くと「五斂子」、「斂」は「収斂」の斂ですから、益々雰囲気を感じます。
 食用になるのですが、その味はと言うと、梨の風味を薄くしたような、ちょっと淡白なものです。

2005.11.17

 八重山のフィールドで度々出会うのが、このアシマダラヤセバエ。前脚を前方に突き出して、「おいでおいで」をするようなユーモラスなディスプレイをします。
 交尾のシーンも珍しくはないのですが、こうしてみると雌と雄の腹部の太さが違うことに改めて気付きます。それぞれ単独で見ていると、目が行かないのですが。
 そして、雌は交尾しながらも、前述のディスプレイを行っています。雄はというと、雌の首の部分にお行儀よく揃えて置いています。さて、このディスプレイは雌特有のものだったのでしょうか?今度よく観察してみましょう。


アシマダラヤセバエ交尾ペア
Ricoh GR Digital


ハスノミカズラorシロツブの実
Ricoh GR Digital Wide-conversion Lens
2005.11.16

 今の季節、西表島の林道を歩いていると、白い球形の物体を見掛けます。長径は20mm近くもあり、ちょっと不思議な存在です。初めて見たときは、巨大な魚の目玉が落ちているのかと思ってしまいました。
 これは、シロツブあるいはハスノミカズラという植物の実なのだそうです。どちらであるかを実で区別することは出来ず、葉を見ないと判らないのだそうですが、近年、西表島ではシロツブはほとんど確認されないと言われます。となると、ハスノミカズラの実である可能性が高いわけですが、シロツブの可能性もないわけではありません。まぁ、どちらにしても、この実の存在の不思議さには全く変わりないのです。

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