南島漂流記
2005年4月前
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2005.4.15

 沖縄本島よりもさらに南西に位置する八重山諸島には、一層不思議な生物たちが暮らしています。最近、そのような生き物の中で気になっているのが、このズグロミゾゴイ。沖縄本島には生息していない種です。
 最初にこの鳥の存在を意識したのは、鳴き声でした。ヤマネコの撮影のために、森の中のテントに身を潜めていたとき、日没で暗くなると同時に近くから「ボッ、ボッ、ボッ・・」と重低音が響いてきたのです。調べてみると、どうもズグロミゾゴイの鳴き声らしいのです。
 また、泊まっている宿の庭にやって来ては、ミミズを捕食する姿も見ていました。ミミズを飲み込むときに見せる、喉を左右に大胆にグラインドさせる不思議なパフォーマンスはとてもユーモラスです。しかし、この姿とあの鳴き声のイメージがどうしても一致しなかったのです。それが、目の前で鳴いてくれたときは驚きでした。しかし、鳴く時も何か不思議なパフォーマンスを披露してくれるのかと思ったら、翼をやや拡げ、姿勢を低くするといった、まぁそれ程インパクトのあるものではありませんでした・・・


ズグロミゾゴイ
NikonD1X Tamron18-200/3.5-6.3


シャクガの幼虫と寄生蜂の繭
Ricoh Caplio GX
2005.4.14

 2月11日に紹介した、アカメガシワで見つけたシャクガの仲間の幼虫です。そのときは、何かに擬態しているようだけど、その対象がよく判りませんでした。そして、今日改めて、この幼虫を見つけたのですが、今日は擬態のモデルが一目歴然でした。アカメガシワの若葉だったのです。和名の由来でもある、アカメガシワの若葉は鮮やかな紅色をしています。そのための色だったのです。
 しかし、今日は出会ったのは、それ以上に興味深い場面でした。その幼虫の目の前に、寄生蜂の繭の塊があったのです。最初、この繭は何処から出て来たのか判らなかったのですが、シャクガの幼虫の胴体には、いくつもの黒い斑点があります。これがどうも脱出孔のようです。つまり、この幼虫は、寄生されその幼虫は体外に出た後も、生き存えているようなのです。このポーズは、それまで自分を苦しめてきた寄生峰に対して合掌する、修行僧のように見えてしまうのです・・・
 ※昆虫写真家の新開孝さんの日記「昆虫ある記」の4月17日の中にも、石垣島産のウラジロエノキについていた同種と思われるようなシャクガの幼虫が紹介されています。体色以外は、かなり共通性が高いので驚きました。

2005.4.13

 この3日間、風邪をひいてしまい、熱も高く休んでいました。しかし、ただ寝込んでしまっては、西表になにをしに来たのか解りませんから、熱の出た最初の日に、無理して3台の自動撮影カメラをセットしてきました。そして、今日3日ぶりにカメラをチェックしに行くと、デジカメに1カット、ヤマネコと思われる画像がありました。
 でも、もう少しだけ前に出てくれたら、全身が写って、ピントも合ったのに・・・


もうちょっと・・
NikonD100 Sigma18-50/3.5-5.6 Speedlight


テリバザンショウとアゲハの仲間の幼虫
Ricoh Caplio GX
2005.4.10

 以前、ここで紹介したテリバザンショウ。主脈の裏表に鋭い刺があるのが、とても印象的です。一度見つけてしまえば、あちらこちらにあることが分かったきたのですが、今日はその葉にアゲハチョウの仲間の幼虫がいるのを見つけました。恐らく、シロオビアゲハではないでしょうか。さすが、サンショウの仲間だけはあります。
 となると、最も興味のあるのは、葉を食べる時に刺はどうするのか?です。食べ掛けの葉を観察してみると、やはり刺は残されてました。しかし、先端のほうの小さなものは無くなっているものもあり、小さなものは食べてしまう可能性もあります。
 しかし、ここで新たなる疑問も。刺だから避けて食べないのか、刺のある主脈自体が固いから食べられずにいるのかです。今度、わざと刺を取り除いた葉を食べさせてみましょうか?

2005.4.9

 水田の脇の枯木にとまっているカンムリワシに、車で近くを通過するときに気付きました。気付くのが「遅かったか・・」と思いつつ、少し車をバックさせると、まだ逃げずに同じ場所にいます。そこで窓からレンズを出し、撮影を始めたのですが、一向にそこから移動する気配もありません。
 その場で持っている機材で得られる最大撮影倍率で撮影した後、ビデオ撮影に切り換えました。こちらは、頭部だけのアップが捉えられる程です。ただひとつ残念なのは、小一時間も撮影に付合ってくれた後、飛び立つ瞬間、実はビデオで脚の爪のアップを狙っていたのです。そのために全身を捉えることが出来ませんでした・・・
 さらにもうひとつ贅沢な残念を。明日の朝日新聞の朝刊の連載「ひと足早い夏」は実はカンムリワシを取り上げているのです。その時点では、ベストカットを選んだのですが、今回のほうが、よりクオリティが高かったのにと・・・


欠伸するカンムリワシ
NikonD1X VR Nikkor80-400/4.5-5.6ED


イエネコ・・
NikonF-301 Nikkor35-70/3.3-4.5 Speedlight Provia400F
2005.4.7

 2月に西表島の山の中に仕掛けていた自動撮影カメラの中のフィルムを、そのまま西表島に置いたままにしておいたものを今頃になって現像してみました。テスト撮影以外に、数枚シャッターが切れていることには気付いていたのですが、どうせ木漏れ陽によって、センサーが作動したのだろうと思っていました。
 ところが、受け取った現像所のライトボックスでチラっと見てみると、なんとネコらしきものが1カット写っているではありませんか!?それも、明らかに三毛でも黒猫でもない模様が!思わず「あっ!」と声を立ててしまった程です。
 慌てて事務所に戻り、いつもの専用ルーペで細部を見ながら、イリオモテヤマネコの写真集と見比べるのですが、どう見ても脚の模様が違うようです。念のために、詳しい方に画像を送って確かめて頂いたのですが、やはり回答は「イエネコ」でした・・・
 がっかりすると同時に、実はこの近くには明らかにヤマネコの活動痕も認められたので、両者の接触の可能性が心配されます。早速、そのことを専門家に報告しておきました。

2005.4.6

 3月23日にも紹介したヒメキランソウですが、今頃の季節、至る処で鮮やかなブルーを目にします。中には、葉の緑色よりも花のブルーの占める面積のほうが多い、立派な咲き方をしている処もあります。
 車窓から、濃いブルーの塊を見つけて近付いてみると、その隣に疎らな一群を見つけました。単に花の密度が疎らなだけではなく、花の色が薄く感じられるのです。よく見てみると、通常のブルーの花に混ざって、色の薄い藤色の花が咲いているのです。これまでにもあったのに、気付かないだけだったのでしょうか?
 不思議なことに、すぐ隣の花の密度の高い場所には、この色の花はひとつも咲いていないのです。花の疎らなとところだけに、少しずつ混ざっているのです。ちょっと不思議な気がしました。


ヒメキランソウ
Ricoh Caplio GX


クワズイモの実
Ricoh Caplio GX
2005.4.4

 沖縄の島々の亜熱帯の森は、ジャングルというイメージで見られることが多いようです。ところが、実際に森を歩いてもみても、素人目には、温帯の森とそれ程大きな違いは感じられないものです。
 その森で、最も亜熱帯らしさを感じさせてくれるのが、樹高10m近くにもなる木本のシダ、ヒカゲヘゴ。そして、草丈が2mにもなるクワズイモです。
 クワズイモは、サトイモの仲間でありながら、その巨大なことと、食べられずに有毒なことに目が行き勝ちですが、その花や実もなかなか興味深いものがあります。仏炎包(ぶつえんほう)といフードに覆われた棒状の花は、上下で雄花と雌花に分れています。その白っぽい雌花部分の表面は、脳味噌を連想させます。そして、実になるとこのような姿になります。ひしめき合っている朱色の実は、何となく「豊作!」というイメージですが、高等生物が進化の末、頭脳が発達し過ぎてこのような脳になってしまったのだと想像すると、ちょっと無気味です。

2005.4.2

 昨日から久しぶりに山原(やんばる=沖縄本島北部)にいます。昨日は、ときどき陽も覗いていたのですが、TVの収録のため、自分の撮影をする時間はほとんどありませんでした。そして、今日は朝から激しい雨です。せっかくの新緑も霧に覆われて霞んでしまっています。2月、3月と雨の多く肌寒い天候でしたが、4月もまたこの傾向が続くのでしょうか?
 森にとって、そこで生きる動物にとって、雨は降らないよりも降ったほうがよいに違いありません。しかし、それは本来の時期に一定の量が降ってこその恵みです。このままでは、今年は空梅雨になるのではないかと心配です。今日も、勢いよく流れる渓流や滝を見ました。冬場に産卵したカエル達の卵や小さなおたまじゃくし、その他の水生昆虫たちが流されてしまわないかと、ふっと心配になりました。
 写真の山並は20数年前に伐採された斜面です。しかし、ちょっと見た目には、すっかり美しい緑に覆われています。ですが、よく見ると、植林された樹種によって構成された自然の森ではないのです。そう説明しても、一般にはなかなか分かって貰えないのでしょうねぇ・・・
 今年は忙しく4月1日ネタも考えられませんでした。しかし、昨年のネタがもう既に、現実のものとなってしまっているのですから、世の中の流れは早いですね。


煙る新緑の山並
Ricoh Caplio GX

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