南島漂流記
2004年11月前
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2004.11.13

 再び、観察と撮影を始めたフタスジハリカメムシですが、既に新成虫の羽化が始まっています。産卵期間が比較的長くダラダラと行われていたので、その後の成長度合いもバラつきがあり、現在では卵、若齢幼虫から新成虫まですべてのステージが見られます。
 そのために注意深く観察すると、幼虫の脱皮や羽化のシーンにも出会います。それにしても、孵化、脱皮、羽化の何れの時にも黒色部分が美しい赤色のため、なかなか目を引きます。自由に動き回れない最も無防備な状態のときに、緑の葉の上で目立つ色彩をまとっているのは、生存上は不利だと思うのですが、何故でしょう。他のカメムシでも、同じような現象が観察出来ますから、生理的に致し方ないことなのかもしれませんが。
 また、このように集団生活を送るカメムシの脱皮シーンを見ていて感心するのは、他の個体に邪魔されながら、巧く脱皮出来ることです。セミなどの羽化はかなりデリケートで、よく失敗するのを目撃しますから。


フタスジハリカメムシの羽化
NikonD1X Tamron90/2.8Di Speedlight


フタスジハリカメムシの幼虫の脱皮
NikonD1X Tamron90/2.8Di Speedlight
2004.11.12

 また新しいレンズを買ってしまいました。私にとっては標準レンズとも言える、長焦点マクロレンズです。これまでは、シグマ105mmを常用してきましたが、これがデジタル対応の新設計になったので、買い換えを検討していました。しかし、やはりタムロン90mmもデジタル対応になったので、どちらにするか悩んでいたのです。タムロンの90mmマクロレンズは、以前から定評があり、20年近く前に、この初代の製品を購入し使っていました。
 以前からのイメージで、タムロンのレンズ設計はシャープネス至上主義ではなく、豊かな階調再現に重きを置いているように感じていました。自然光で奇麗なボケ味を活かした撮影などでは、なかなかよい雰囲気が得られますが、ストロボを使用した昆虫のクローズアップでは、もう少しシャープさが欲しいと感じることもあり、どちらかと言うとシャープ性重視と思われるシグマを愛用してきました。
 しかし、ほぼ20年ぶりに使用したタムロン90mmマクロは、相変わらずの豊かな階調再現はそのままに、なかなかのシャープさも兼ね備えた、とてもバランスのよい画像に感じられました。ちょっとハマるかもしれません。久しぶりにタムロンとの付き合いが復活しそうな予感です。
 被写体は、このところやや遠ざかっていた、フタスジハリカメムシです。すっかり幼虫の数も増え、いろいろな成長段階の幼虫が同時に見られるようになっていました。

2004.11.9

 森の中からはまだセミの鳴き声の聞かれる、亜熱帯・山原(やんばる=沖縄本島北部)です。夏好きで、冬嫌いな性格なため、秋は何処か寂しい気分になります。そして、フィールドに出る度に、「まだ、こんな夏の要素が残っている!」探しをしては喜び、「もう、こんな冬の気配が・・・」に気付き落胆するのです。
 今日は一日頑張って、たくさんの夏をかき集めたのですが、陽が暮れようとして空を見上げると、そこには夏ではない紛れもない秋の空が広がっていました。そろそろ、夏の終りを認めないと、また意地の半袖生活を続けて、風邪をひいてしまうかもしれません。


山原の夕暮れ
Ricoh Caplio GX


サキシマフヨウ
Ricoh Caplio GX Wide-Adapter
2004.11.9

 ちょうど今の季節、山原の林道を走ると、林道脇にはサキシマフヨウの花が咲き乱れています。
 花弁の色は、白から濃いピンク色までかなり変異があります。これまでの印象では、白い株が多く、ピンク色の株は少なかったのですが、何故か今回はピンク色の株が目立ちました。栽培しているのではないので、人為的に増やした訳ではないでしょうから、不思議です。単なる偶然なのか、あるいは時期的なものなのでしょうか?
 背景の空が青ければ、より花の色が映えたと思うのですが、生憎の曇り空でした。でも、晴天であれば、光線が強く花の色がこれ程出なかったかもしれません。

2004.11.9

 台風の多いシーズンでしたが、やっと一段落といった印象です。台風の爪痕の目立つ山原の森ですが、たわわに実を着けたイイギリの実を見つけました。秋から冬の視覚的季節感に乏しい山原では、貴重な存在です。
 決して数も少なくなく、餌資源としても豊富だと思うのですが、野鳥や哺乳類にはあまり人気がないようです。やがて朽ち果てて、房のまま地面に落ちている無惨な姿を目にします。ところが、今日は初めて、実際に実をついばんでいるヒヨドリの姿を目撃し、ビデオ撮影も出来ました。イイギリの実の名誉やや挽回といったところでしょうか。
 ときどき背後から陽が射し、緑の葉が透けて赤い実と絶妙なコントラストを見せてくれたのですが、実自体の深い赤色は、この陽の陰った条件のほうがよりよく再現されていたので、こちらのカットを選んでみました。


イイギリの実
NikonD100 Nikkor70-300/4-5.6ED PL-Filter


ナンバンギセルの花
Ricoh Caplio GX
2004.11.8

 まだまだ汗ばむ日のほうが多いのですが、やはり山原の森では着実に秋が深まりつつあります。山原の秋の花の中でやや異色なのが、このナンバンギセルの花です。ススキの根に寄生する寄生植物のため、葉や緑色の部分を持ちません。かと言って花を着けないわけではなく、このように奇麗な花を見せてくれます。
 この植物には、もうひとつ不思議なところがあります。花の奥に、まるでナメコのように見える器官があるのです。やや下向きに咲く花を身を屈めて覗き込んでみると、この不思議な物体が見えます。恐らく雌しべに相当する部分なのでしょうけど、何とも面白い形です。
 このことを教えてくれたのは、専門家ではありません。あるとき撮影に同行した人が偶然に気付き、教えてくれたのです。それ以来、ナンバンギセルの花を見つけると、このナメコの存在を確かめるのが習慣になってしまいました。

2004.11.7

 ちょうど今の季節、ツチイナゴの幼虫たちがたくさん見られます。写真のように、ツチイナゴには緑色型と褐色型がいます。この撮影をしたとき、両型は、それぞれの体色が有効に働くような場所にいたのですが、ちょっと出来過ぎでしょうか?
 これまでの研究から、背景の色彩や模様を認識して、より高い隠蔽効果の得られるような環境や向きに静止する昆虫も知られています。反対に、全くそんなことは無視して行動している昆虫もたくさん見られます。
 このツチイナゴの場合はどうなのでしょう?褐色型が枯葉を餌にしているのならよいのですが、やはり餌は緑葉です。ということは、体色を最大限に活かすためには、摂食時と休息時には、わざわざ移動しなければなりません。活動時の多くを摂食に割いている生活では余り効果的とも思えません。やはり、偶然だったのかもしれません。でも、そうなると、褐色型の存在意義は何処にあるのでしょう?


ツチイナゴの幼虫
Ricoh Caplio GX


センダングサの種子
Ricoh Caplio GX
2004.11.5

 沖縄のフィールドワークで厄介な存在というと、ハブが筆頭でしょうけど、実際はセンダングサ類の種も無視出来ない存在です。街中から山奥の林道沿いまで至る処に生えていますし、ちょっと茂みに踏み入ると、服のあちらこちらに無数の種が着いてしまいます。それが簡単に取れればいいのですが、結局ひとつひとつを指で摘んで取らなければならないのです。全く厄介な存在です。
 ところが、今日、草むらで昆虫の撮影をしていると、たまたまファインダーの中に、完全な形のセンダングサの実が飛び込んできたのです。これまで余りまともに観察したことがなかったのですが、改めて見てみると、シンメトリーな放射状でなかなか面白い形をしています。これが、この形状のままでバラバラにさえならなければ、いいのですけど・・・

2004.11.3

 久しぶりにフタトガリコヤガの成虫を見つけました。しかも、羽化直後の新鮮個体のようです。この蛾の不思議なことは、幼虫は本当によく見かけるのですが、成虫は滅多に目撃出来ないことです。幼虫は、アオイ科の植物の葉で度々、それも東京都内から山原(やんばる=沖縄本島北部)の山奥まで、その姿を見る機会があります。ところが、成虫の姿というと、これまでに数える程しか見たことがありません。
 昆虫の場合、特に完全変態では、幼虫と成虫とで姿が全く異なる上に、餌も生息場所も全く違うということが珍しくありません。その結果、成虫はよく見かけるのだけど、幼虫を見たことがないという例はよくあります。あるいは、未だに幼虫が発見されていない種というものもあります。しかし、この反対の例というのは、それ程多くないように思います。
 単に成虫を見かけないだけではなく、編み目状の模様や、どこか狐のお面を連想するような姿は、かなり特徴的で不思議な存在に思えてきます。


フタトガリコヤガ成虫
Ricoh Caplio GX Speedlight



Ricoh Caplio GX
2004.11.1

 日に日に秋の深まりを感じる季節ですが、季節の移り変わりは一直線に進むものではありません。今日の空を見上げると、夏を思わせるような雲が沸き上っていました。夏好きで、冬の嫌いな性格には、ちょっと嬉しい光景でした。
 このところ、空というか気象ネタが続いていますが、これには理由があります。本来ならば、今の季節は1年で3回目の昆虫の出現のピークを迎えているはずなのですが、記録的な台風の襲来の影響なのでしょうか、今年の秋は、昆虫の姿が少ないのです。今週は、毎週続けてやって来ていた台風がやっと途切れ、久しぶりの好天が続いています。
 今日は1日で日記を3回アップしてしまいましたが、最近またサボリ気味なのを、サイト開設3周年の日に挽回しようというのが見え見えですねぇ?子供の頃から「やれば出来るのに」と言われ続けても、結局やらない性格は、未だに変わってないようです・・・

2004.11.1

 事務所の入っている建物の反対側からは、大平洋が見えます。そこからは、毎朝陽が昇っているはずですが、なかなかその光景を目にすることはありません。今日は久しぶりに日の出を眺め、撮影をしました。
 水平線の少し上には雲が掛っていますね。これが、今朝のほうが、事務所裏の建物に陽が射すのが遅れた原因のようです。日頃、仕事で日の出を撮影することは数少ないのですが、反対に日没の撮影は結構機会があります。そのときに思うのは、水平線上に雲がなく、絵に描いたような日没はなかなかないということです。直前まで雲がないと思っていても、急に雲に隠れてしまうのです。きっと日の出も同じ状況なのでしょう。ただ日没と違って、早起きしてその瞬間を狙っていたとしたら、落胆の度合いはより大きいでしょうね。


今日の日の出(06:50)
Ricoh Caplio GX


今朝の日の出(06:47)
Ricoh Caplio GX
2004.11.1

 10月29日(正確には30日)には、朝帰りの証拠写真を載せてしまったのですが、今日は正真正銘の早起きをしての同時刻の写真です。
 たった2日間の違いですが、月の位置はまだ高く、広角側で縦位置にしないと画面に収まりませんでした。月の出、入り時刻は毎日50分余遅くなっていくはずですから、わずか2日でこれだけの差が出てしまうのですね。
 それに対して太陽のほうは、1日に1分程しか変わっていきません。しかしそれにしては、今日はまだ建物に陽が当たっていませんね。
 今日は何故、朝帰りでもなく、こんな時刻に起きていたかというと、原稿の締切りに追われていて、徹夜してたんです・・・

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