南島漂流記
2004年8月前
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2004.8.14

 台風13号の接近で、予定していた航空便を繰り上げて、追われるようにして沖縄に戻ってきました。12日はテレビの生放送枠担当に当たっていたので、どうしても戻らなくてはならず、飛ぶか飛ばないか、飛んでも那覇空港に着陸出来るか否か判らず、際どい帰路になりました。
 沖縄に戻ったら、チョウの飛翔撮影に再挑戦しようと思っていたのに、台風の影響で天気は優れず、風も強い状態で、なかなかままなりませんでした。今日になってやっと夏空も戻ってきました。
 早速、チョウを探したのですが、台風の影響か、あまりよい状況に出会えません。そんな中、目に付いたのがこのホウオウボクの花。なかなか南国的な花ですが、在来種ではなく、外来の栽培種です。普通は、高い枝先にかたまって咲いていることが多いのですが、珍しく低いところに少しだけ花を着けていたので、花の造りを間近に観察することが出来ました。
 黄緑色のシダ状の葉の上に燃えるように盛大に花を広げた姿は、なかなか見映えがします。しかし、そのような咲き方を安定して見せてくれるようになったのは、ここ10年前後のような印象があります。それ以前は、沖縄の気候にはちょっと合ってないのでは?と感じていたくらいです。これも温暖化の影響なのでしょうか?


ホウオウボクの花
Ricoh Caplio GX


飛ばないヤマトシジミ
Ricoh Caplio GX Wide-Converter
2004.8.10

 このところ、糸崎公朗さんの掲示板が盛り上がっています。知人も何人も参加していますし、ここで知合いになった方もいます。その掲示板で最近特に流行っているのが、チョウなどの昆虫の飛翔の追い写しなのです。そのきっかけがシジミチョウだったので、私も是非参加させて貰おうと思い、シジミチョウを探してみると、実家の隣の空き地でも、ヤマトシジミが活動していました。
 これまた、掲示板で最も流行りの写し方、コンパクトデジカメにワイドコンバーターを装着して、背景まで入れた構図で挑戦しました。この撮影方法は、被写体のチョウにレンズの先端が触れるか否かまで接近しなければならないので、逃げられないように慎重に近付かなければなりません。ようやく、ファインダーの中にチョウをとらえるところまではコツがつかめたのですが、なかなかチョウが飛び立ってくれないんですね、これが・・・結局30分程粘ってみたものの、とても掲示板に投稿出来るようなカットは物に出来ませんでした。その代わり、腕と足に数十箇所の蚊の刺し痕を貰って帰ってきました。
 どうも東京での撮影は、沖縄とは勝手が違うようです。明日、沖縄に戻ったら、今度こそ掲示板に投稿出来るようなカットに再挑戦です。

2004.8.9

 数日前から東京に来ています。暑い暑いとは聞いていましたが、確かに沖縄とは違った熱が淀んでいるように感じます。それでも、このページのネタは何かないかと、実家の周りを散歩するのですが、30分が限度です・・・
 ちょっとした空き地には必ずと言ってよい程、茂っているのがこのヤブカラシです。その和名のとおり、その繁殖力にはすさまじいものがあります。沖縄ではあまり見掛けませんが、東京の実家では「ヤブカラシを抜いて」というのが母の口癖です。
 しかし、この人間には嫌われもののヤブカラシですが、昆虫にはなかなかの人気です。大きなものではアオスジアゲハから、小型のハチまでさまざまな種類が訪花します。それらの昆虫にレンズを向けていて気付いたのですが、このヤブカラシの花って、意外と奇麗なんですね。咲き始めは、オレンジ色でやがてピンク色に変わっていきます。そして花の中心には黄色のワンポイント。さらに、いつもツヤツヤとしていて、何となくお菓子のようで美味しそうです。
 ところで、このハチは何と言う種類でしょう。セグロアシナガバチ?ちょっと腹部が違うような気がします。ドロバチか?東京の昆虫の種名は全くダメです・・・
※早速、新開孝さんから「コアシナガバチでは?」とご教示頂きました。


ヤブカラシに訪花したハチ
Richo Caplio GX


フタトガリコヤガ幼虫
Ricoh Caplio GX
2004.8.7

 生まれ育ったのは東京23区内。今仕事をしているのは沖縄本島。温帯と亜熱帯という違いだけではなく、余りに環境が異なるので、その両方で共通して見ることの出来る昆虫というのは、極めてわずかです。その数少ない例が、このフタトガリコヤガの幼虫です。残念ながら、成虫の姿の記憶はほとんどありません。アオイ科の植物を寄主にしているので、比較的目にし易いのかもしれません。
 よくよくこの幼虫の姿を見ていて、果たしてこの姿は隠蔽的なのか、あるいは警告的なのかと考えてしまいました。背面を走る黄色の筋は、葉脈のようで葉の上に静止していると、隠蔽的のようにも感じます。しかし、その周りの黒い斑紋は、黄色とセットで考えると、最も警告的なパターンにもとれます。さらに、尾端の赤色部分は、どう見ても目立ちます。しかし、食草としているアオイ科の植物に、毒が含まれているとは考え難いので、やはり隠蔽的なのでしょうか?
 自然界で擬態の例を見つけだすのは、とても楽しいことです。ひとつの「見立て」ごっこのようなものです。今まで、何も意味のないように見過ごしていた模様や姿形が、突然意味あるものに見えてくるのですから。しかし、それは飽くまでも人間の感覚によるものです。正確な検証は、実際の捕食動物を使った実験をしてみないと、何とも言えません。

2004.8.5

 写真家のアンリ・カルチェ・ブレッソンが亡くなったそうです。ちょうど2カ月前にベルリンで彼の写真展を見てきたばかりです。そのときの写真を探し出してみると、まだその会期は終わっておらず、今月の15日までとなっています。95才の高齢だったそうですが、本人は会場に足を運ぶ機会はあったのでしょうか?
 「決定的瞬間」のタイトルの写真展はあまりにも有名ですが、私の心の中でのブレッソンの名は、ロバート・キャパと共に存在しています。1954年に40才でこの世を去ったキャパも生きていれば、90才の計算になります。その元気な姿を見てみたくもあり、酒に女性に博打に勤しんでいたキャパの老醜が怖くもありといったところです。キャパらが設立した写真家集団マグナムの創立メンバーの最後のひとり、ブレッソンもこの世を去り、ひとつの時代が終わったのでしょうか?


6月6日ベルリン
Ricoh Caplio GX


パパイアの雄花
Ricoh Caplio GX
2004.8.3

 7月15日にシマバナナを紹介しましたが、沖縄にやってきた当初は、熱帯果実が庭先に普通に植えられているのがとても新鮮に感じられました。その筆頭が、このパパイアかもしれません。庭先でもよく見ますが、ほとんど放置されたジャングル状態の荒れ地でもよく目にする程のポピュラーな存在です。
 沖縄にやってきた頃に、さらに驚いたのは、このパパイアの実を果物としてではなく、野菜として食べることでした。まだ、青い固い状態の実が店先に転がされ、「¥35」なんて値札が貼られていると、不思議に感じたものでした。
 今の季節、沖縄ではマンゴーが出回っています。その濃厚な味から人気が高く、本土への御中元としても活躍しているようです。同時になかなかの高値に驚いたりもします。以前は、沖縄の果実というと、パイナップルでしたが、現在では海外産に押されて、一時期程栽培は盛んではありません。
 これほどポピュラーな存在のパパイアが、沖縄を代表する果実になれなかった理由は何処にあるのでしょう。単に味の勝負でマンゴーに太刀打ち出来なかっただけかもしれませんが、よく言われるのが、台風に弱いことです。確かに、台風通過直後には、無惨な幹だけが残された姿を目にします。沖縄の森を覆うスダジイは、台風の適応したためか、沖縄での樹型は高く伸びずに横に枝を拡げる独特なものになっています。パパイアも移入種ではなく、在来種であれば、スダジイのように長い時間の中で沖縄の気象条件に適応していたのかもしれません。

2004.8.2

 今年の1月26日にも、冬の陽に透けるクワズイモの葉を紹介しています。高さ2mにも生長するクワズイモの葉は、一見大きさだけに圧倒されてしまいますが、光線に透けて見える葉のグラデーションは、意外にも微妙なデザインが隠されています。
 ハイビスカス、ブーゲンビリア、デイゴなど沖縄らしさを演出してくれている植物のほとんどは、海外から持ち込まれたもので在来種ではありません。
 在来植物の中で、亜熱帯らしさを感じさせてくれる代表的なものというと、ヒカゲヘゴ、イルカンダ、そしてこのクワズイモでしょうか?他の2種が、山に行かないと見られないのに対し、クワズイモは低地でも何処でもよく見かける植物です。あるいは、沖縄の亜熱帯を最も演出してくれている植物なのかもしれません。しかし、余りにも日常的過ぎて、そのような目で見ることが少ないのも事実でしょう。ときには、巨大な葉のグラデーションを観察してみるのも、悪くないと思います。


クワズイモの葉
NikonD100 Sigma12-24/4.5-5.6 PL-Filter


ヤマトシジミ
Ricoh Caplio GX Speedlight
2004.8.1

 夕暮れ時に、草むらで見つけたシジミチョウが、とてもコントラストくっきり目に飛び込んできました。撮影しているときは、「ちょっと珍しい種類?」と思ってたのですが、撮影後改めて斑紋を見たら、代表的な種類、ヤマトシジミでした。夏は、斑紋のコントラストが高まるのでしたっけ?実際の撮影の場面では、逃げられないように近付くことや、ピントを合わせること、ブラさずにシャッターを切ることばかりに頭がいってしまい、被写体自体の観察が疎かになっていることが度々です・・・
 発売直後の5月末以来、使い続けているコンパクトデジカメ、リコーキャプリオGXですが、なかなかの魔性のカメラです。私の場合、この日記だけが撮影の目的ではなく、むしろその後の写真の貸出しがメインなのですから、やはりさまざまな媒体への使用を考えると、一眼レフデジカメで撮影しておいたほうが無難と言えます。実際の撮影にしても、小さな液晶モニタでのフォーカスの確認はなかなか難しいものがあり、一眼レフの光学ファインダーのほうが、はるかに楽で確実と言えます。
 それなのに、何故この機種を使い続けるのでしょうか?こんなコンパクトタイプなのに、ちょっと頑張ればここまで撮れてしまう的楽しみにハマっているからなのだと思います。ワルなんだけど、ただのワルじゃない、何処か光るモノを持ってる小悪魔的女性と付き合ってるような感覚でしょうか?本当は仕事のためには一眼レフで撮るべきなのに、なかなか別れられない麻薬のような魅力かもしれません。しかし、このカメラ、いくつかのウィークポイントを改良して貰えれば、本妻にしてもいいくらい可能性を秘めたワルなのです。後継機種が今から楽しみです。

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