南島漂流記
2004年7月前
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シマバナナ
Ricoh Caplio GX WideConverter
2004.7.15

 26年前に沖縄にやって来た頃は、何を見ても新鮮でした。ちょっとした高台に出ると、彼方には必ずエメラルド色の海が見え、その度に「ハッ」としたものです。また、バナナやパパイヤといった熱帯果実が、庭先に何気なく植えられているのも印象的でした。
 しかし、いつしかその感動も薄れ、次第に当たり前の光景になってきます。昨夜もあるお店で呑んでいると、隣の席の本土から来られた方が「沖縄はいいですよね〜!」を連発されます。私に同意を求めてられるのですが、余り素直に「そうですよね!そうでしょ?」とは受け答え出来ません。もちろん、沖縄が好きで暮らしているのですが、観光客のように沖縄の風景に異国情緒を感じることも出来ず、もうそれは日常になってしまっているのですから・・・
 しかし、普段の生活でならば、これも許されますが、仕事の上ではこうはいきません。日本の中にある亜熱帯、温帯や熱帯とは違う「亜熱帯」を映像で表現するのが、仕事のテーマなのですから。常に亜熱帯の自然を客観的に見て、そのエッセンスを抽出する感覚を磨いておかなければ、沖縄に住み続けている意味がなくなってしまいます。

2004.7.14

 キンポウゲ科のクレマチス属は、花もさることながら、その実の姿が面白いですねぇ。2月29日に紹介したビロードボタンヅルなどが典型ですが、身近に見られるヤンバルセンニンソウもなかなかのデザインです。
 生物の姿形は、すべて偶然ではなく必然だとは思うのですが、ときにユニークな風貌に出会うと、何故このような姿形でいなければならないのか?と考え込んでしまいます。
 このヤンバルセンニンソウの実も、見た目のウケ狙いではなく、種子が風に乗って分布を拡げるためのデザインなのでしょう。この姿を美しいとするのなら、それは機能美と言うべきものなのかもしれません。


ヤンバルセンニンソウ?の結実
Ricoh Caplio GX


吸汁するクマゼミ
Richo Caplio GX WideConverter
2004.7.13

 ホルトノキで集団で吸汁していたクマゼミですが、接近して撮影する前にほとんど逃げられてしまいました。しかし、やはり危険に動じないで、いつまでも食事を続けるセミもいました。食い意地の張ったやつだとか、ドン臭いやつだとか馬鹿にしてはいけません。多くの昆虫写真家や研究者は、このような性格の虫に助けられることが多いのですから。
 この写真もまた、コンパクトデジカメによる撮影です。かなりこの機種にも慣れてきて、どのような場合がダメで、どのような場合に優れているか、付き合い方も判ってきました。
 例えば、背景と重なる細い被写体にピントを合わせるのは、かなり苦労することが多いのですが、今日のような太いコントラストのある被写体ではほぼ問題ありません。CCDの感度が意外に低く、森の中や木陰ではついついマニュアルで感度を上げたくなるのですが、ISO400相当ではかなりボケた部分にノイズが感じられます。ISO200までが実用範囲かもしれません。あと、絞り優先モード的に撮ることが多いのですが、この絞りがマニュアルでは3段階の調節しか出来ません。もう少しステップ数を増やして欲しいところです。

2004.7.13

 今の季節、沖縄ではセンダンやホルトノキにはクマゼミの集団が見られます。そのクマゼミが吸汁した部分から染み出した樹液を求めて、さらにいろいろな昆虫が集まっています。
 その中で、今日目に付いたのは、このハナムグリ。恐らく、リュウキュウツヤハナムグリだと思うのですが、もし違っていたら何方かご指摘頂けると助かります。クマゼミたちは、人の気配に一斉に飛び立ってしまっても、このハナムグリだけはいつまでも一心に樹液をなめ続けていました。
 昨日に続いて、コンパクトデジカメによる撮影ですが、今日も一眼レフではちょっと難しい状況でした。地上から1.8m程の幹にいたものですから、真下に立って、カメラを頭上に掲げての撮影です。このような場合、一眼レフデジカメでは、撮影時の画像がモニタ表示されず、構図が確認出来ません。しかし、コンパクトデジカメならば、ボディ背後のモニタがファインダ代わりに使えますから、撮影も可能です。欲を言えば、この機種もコンパクト性をやや犠牲にしてでもモニタの角度が変えられると、さらに便利なのですが・・・
※断定は出来ませんが、リュウキュウオオハナムグリの可能性も強いようです。


樹液にやってきたリュウキュウオオハムグリ?
Ricoh Caplio GX Speedlight


キバナコスモスに訪花したオキナワツヤハナバチ
Ricoh Caplio GX WideConverter
2004.7.12

 今日は、なかなか夏らしい空が広がっています。深く青い空に適度な積雲が散らばり、ちょうどよいバランスです。正午をかなり回って夕方に近い時刻になっても、まだまだ炎天下です。そのような状況では、昆虫たちもあまり活発に行動しないものですが、キバナコスモスの花には、ひっきりなしにオキナワツヤハナバチが訪れていました。「真っ黒な体で、よく頑張るよなぁ?」と思いますが、あるいは「ツヤ」であることが反射率を上げて、いくらか太陽光の吸収を和らげているのでしょうか?
 このオキナワツヤハナバチは、体長が8〜9mmしかない小型種です。最近、コンパクトデジカメの使用頻度が高くなっていますが、このような写真は、一眼レフよりも、このコンパクトデジカメのほうが得意分野なのです。35mmフルサイズ換算で、22.5mmの画角での撮影ですが、一眼レフのレンズですと、最短撮影距離が15〜20cm程あります。そうすると、ハチはもっと小さくしか写りません。今日使用した機種は、レンズ先端1cmからピントが合うので、相手に逃げられない限りかなり接近してもピントが合うのです。実際、キバナコスモスの花弁がレンズに触れてしまい困る程でした。

2004.7.11

 今日はちょうど夕暮れどきに、沖縄本島南部の海岸にいました。沈む夕陽は見損なったのですが、その後の夕焼けを堪能することが出来ました。
 それにしても、夕焼け空の美しさは何とも言えません。これまで何度見てきたのかもしれませんが、決して見飽きることのないものです。何処か人間の心を揺さぶる何かがあるのでしょう。
 ただ、夕陽や夕焼けの美しさは、余りにも気紛れで、そのときになってみないと判りません。撮影の準備をしていて、何度裏切られたことでしょう。反対に、何度思い掛けない美しさに立ち止まったことでしょう。
 昨日、一昨日と撮影機材の細かい話に明け暮れましたが、今晩は理屈抜きの夕焼けで乾杯!


沖縄本島南部玉城村での夕焼け
Ricoh Caplio GX


偏光フィルター越しの夏空
NikonD100 Sigma12-24mm/4.5-5.6 PL-Filter
2004.7.10

 昨日に続いて、また機材の話で申し訳ありません。レンズと同時に購入したのが、82mm径の偏光(PL)フィルター。このサイズの偏光フィルターは既に持っていたのですが、広角レンズ用の薄型タイプの追加購入です。
 というのも、先日購入した12-24mmの超々広角レンズ用にです。基本的に、このレンズ先端にはフィルター取付枠がないため、フィルターは使用出来ないのですが、固定花形フードにレンズキャップを装着するためのアダプターの先端には、そのフィルター取付ネジが切ってあるのです。35mmフルサイズではお話になりませんが、APS-Cサイズデジタル撮影では使えなくもないと、あるカメラ雑誌に書いてあったのです。
 早速試してみましたが、生憎手許の偏光フィルターは通常タイプで厚みがあり、かなり画面の四隅がケラれてしまいます。厳密には17mm(35mm換算で25.5mm相当の画角)程度からしかケラレなしでは使えません。そこで、薄型タイプを追加購入したわけです。そのフィルターを装着して広角端の12mm(18mm換算)で撮影したのが、今日の写真です。やはり、それでもかなりケラれてますね・・・。それでも、1万円強の投資で、15mm(22..5mm換算)から使用出来るようになりました。しかし、考えてみると、コンパクトタイプのRicohCaplioGXにワイドコンバーターを装着しても22.5mm相当なんですよね・・・
 今年の夏空は、雲が多くていまひとつクリアではありません。例年、梅雨明け直後は雲も少なく本当に抜けるような青空なのですが、やはり、今年の実質の梅雨明けは、宣言のあった23日よりも1週間から10日前だったのかもしれません。

2004.7.9

 また、新しいレンズを買ってしまいました。しかも、何れ無用の長物と化すかもしれない、APS-Cサイズのデジタル専用レンズを。これまで、デジタル一眼レフボディ用には、18-50mmF3.5-5.6を常用していました。この姉妹製品で、望遠側を一気に125mmまで拡大し、ズーム比6.9倍としたレンズです。これによって、著しく大型化すれば魅力は感じないのですが、前レンズが全長67.5mm、重さ250gに対して、今回の新製品は同77.7mm、385gに留まっていますし、定価も¥45,000-です。
 発売とほぼ同時に購入し、早速使ってみました。ズーム比6.9倍というのは、ファインダー像を見ているだけでも、なかなか劇的な変化を感じさせてくれます。しかし、やはり欠点もあります。これまでのレンズの最短撮影距離は25cmで、最大撮影倍率は0.29倍にもなります。それに対して新レンズは、同50cmで0.19倍です。前レンズの接写性能が突出していた訳ですが、やはり、それに慣れているとやや物足りない気がしてきます。もっとも、前レンズは望遠側は35mm換算で75mmですから、あまり撮影距離は取れず、敏感な被写体のクローズアップ向きではありませんでした。一方、新レンズの望遠端は同187.5mmですから、結構な望遠接写が可能です。具体的には、今日の写真のようなチョウ、トンボ、セミといった被写体の撮影にも使えそうです。これよりも小さな被写体には、潔く接写レンズに切り換えることにすれば、なかなか魅力的な撮影機材となりそうです。ここしばらくは、このレンズを常用レンズに採用してみたいと思います。
 さて、被写体のツマムラサキマダラですが、1990年頃から沖縄本島に定着し、最も数の多いチョウとなっていましたが、ここ2年程は激減していました。しかし、今年は、その減少傾向が上向きに転じたように感じます。


ツマムラサキマダラ雌
NikonD100 Sigma18-125/3.5-5.6 Speedlight


オキナワクワゾウムシ
Ricoh Caplio GX Speedlight
2004.7.8

 昨日に続いて今日もオキナワクワゾウムシを探してみました。場所も昨日と同じ琉球大学構内ですが、今日はより大きなシマグワの木で2匹の成虫が見つかりました。恐らく、幼虫期は幹の中で過ごすのでしょうから、あまり細い枝や幹では、繁殖出来ないのでしょう。
 昨日のゾウムシもそうですが、今日の2匹も体の模様がくっきりした新鮮な虫でした。ということは、最近羽化したということですから、これから次第に数が増えていくのかもしれません。5月2日25日に紹介したヒラヤマメナガゾウムシもそうでしたが、このオキナワクワゾウムシも体の模様は付着している粉によるもので、新鮮な虫と羽化から時間の経った虫とでは、かなり模様が違います。以前、すっかり粉が落ち、少し艶のある黒っぽい状態で、触角まで失った状態の虫に出会いました。図鑑では、その姿に該当する虫が見当たらず、しばらく悩んだのですが、よくよく観察すると、このオキナワクワゾウムシだったという経験があります。
 今日は擬死されることもなく、自然な状態で撮影することが出来ました。

2004.7.7

 梅雨が戻って来たような空模様が続いています。やはり、夏の虫は亜熱帯の青空が似合います。そして、虫たちも心なしか元気がなさそうに映ります。
 そんな中、オキナワクワゾウムシを探すことになりました。シマグワの枝の樹皮を食べた食痕はあるのですが、肝心のゾウムシがなかなか見当たりません。ちょうど成虫の出現の境なのでしょうか?やっと琉球大学構内の大きめの木で、枝を歩いている1匹に出会いました。
 ちょっと高い枝にいたので、根元にあった石垣の上に登り、邪魔な枝をかき分けていると、目当てのゾウムシがポロっと落下してしまいました。いわゆる「擬死」という行動です。脚を急に縮めて落下し、しばらく死んだように動かなくなることで、天敵を欺いているのだと言われています。
 確かに死んだように見えますが、死んだふりよりも、急に落下して見失ってしまう効果のほうが大きいのではないでしょうか?特に地表に植物が生い茂った環境ならば、効果絶大です。しかし、今日のオキナワクワゾウムシのように、途中の葉にキャッチされてしまったのは、予想外の失敗といったところでしょうか?


擬死するオキナワクワゾウムシ
Ricoh Caplio GX Speedlight


ムスジイトトンボ雄
NikonD1X Sigma105/2.8Macro X1.4Telecon Speedlight
2004.7.3

 1週間に渡るTVのロケが終了し、帰途、宜野座村にある漢那ダムに立ち寄りました。ここには、ダム湖の他に野鳥やトンボの観察出来る池があるのです。春先から何度か訪れているのですが、なかなかお目当ての種類には会えずにいました。
 その相手は、タイワンウチワヤンマ。以前は、それ程珍しい種類ではなかったのですが、最近はなかなか姿を見る事が出来ません。なんとか2匹の姿を目撃し、そのうち1匹は撮影することが出来ました。と言っても、それはビデオでのこと。水辺のかなり遠く離れた位置にとまっていたため、スチル撮影はとても無理でした。35mmカメラ換算で、1600mm相当の焦点距離のレンズで、なんとか絵になる世界です。
 スチル写真での収穫は、このムスジイトトンボ。春先にも見掛けたのですが、そのときはかなり神経質で、やはりビデオ撮影しか出来ませんでした。しかし、今回はスチルカメラで、数10cmまで近寄っても、ほとんど逃げません。
 あるいは、これがこのトンボの初めてのスチル撮影かもしれません。かつて、私の勤務先だった大学の資料館の周辺でも、以前は目にすることもありました。あるとき、この鮮やかな水色がファインダーに広がった記憶が残っています。しかし次の瞬間、シャッターを押すのよりも一瞬早く、飛び去ってしまったのでした・・・

2004.7.2

 6月27日にも紹介したばかりですが、またアカギカメムシの成虫集団を見つけました。前回よりも大きな集団です。しかも、同じ木には他の小さい集団もたくさんありますから、これからさらに大きな集団になる可能性もあります。
 アカギカメムシの成虫集団は、繁殖を終えた成虫が、アカメガシワなどの葉裏に集合して造られます。最初は小さな集団がいくつも見られ、それが分散、集合を繰り返して、次第に多きなものとなっていきます。8月頃に最大規模となることが多いようです。しかし、その間には台風の接近などもあって、いつの年でも簡単に大集団が見られるとは限りません。さらに、大きな集団が造られたとしても、それが観察し易い林道沿いである保証もありません。ですから、運良く大きな集団に出会えた年は、ついつい興奮してたくさんのシャッターを切ってしまいます。
 それにしても、この写真が青空をバックにしたものだったら、より印象的だったに違いありません。例年、梅雨明け直後の空は、雲も少なく大気もクリアなものですが、今年は、梅雨明け直後から雲が多めで、思ったような青空に恵まれません。やはり、台風6号の影響で梅雨明け宣言が遅れたのであって、実質の梅雨明けはその1週間余り前だったような気がします。


アカギカメムシの成虫集団
NikonD1X Nikkor10.5/2.8Fisheye


沖縄本島最北端辺戸岬の海
NikonD1X Sigma18-50/3.5-5.6 PL-Filter
2004.7.1

 美しい海を求めて、沖縄本島最北端の辺戸岬を訪れました。確かに、奇麗に見えますが、以前はこの程度ではなかったのです。
 3年前の夏に、やはり撮影のために久しぶりに、ここを訪れて、海の色の激変ぶりに驚いたことがあります。光線の具合かと思い、翌日も、さらにその翌日も、時間を変えて行ってみたのですが、やはり以前のような美しさは見られませんでした。この沖合いのコバルト色から浅瀬のエメラルド色までのグラデーションが、より鮮やかだったのですが・・・
 ちょうどその頃、サンゴの白化現象が話題になっていましたから、やはりここの海もその影響だったのでしょう。何時の日か、またあの美しさを取り戻してくれるときがあるのでしょうか?
 海自体が以前より色褪せてしまっているのは確かですが、このような海や緑の山並を撮影するときに、その色彩をより強調するために、偏光(PL)フィルターを使います。しかし、フィルムカメラに比べて、デジタルカメラはどうもこの偏光フィルターの効果が薄いように感じます。

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